マリア・シャラポワ(ロシア)が薬物使用で2年間の活動停止処分を言い渡された直後、スポーツ用品の有名ブランド、ナイキが彼女のサポートを続ける意図を表明した。さらに一夜明けた9日には、2つのスポンサーがシャラポワへの支援を表明している。ラケ…

 マリア・シャラポワ(ロシア)が薬物使用で2年間の活動停止処分を言い渡された直後、スポーツ用品の有名ブランド、ナイキが彼女のサポートを続ける意図を表明した。さらに一夜明けた9日には、2つのスポンサーがシャラポワへの支援を表明している。ラケットを提供するヘッドとミネラルウォーターで知られるエビアンがシャラポワをサポートし続けると公言することで、ナイキに続いたのだ。  一方、化粧品やスキンケア製品などのブランドであるエイボンは、もうすぐ満期を迎えるパートナーシップの契約を延長することはない、と発表した。しかし同社は、この決断はシャラポワの薬物使用による活動停止処分とは何ら関係はない、と言っている。  ヘッドの取締役、ヨハン・エリアシュ氏は、国際テニス連盟(ITF)がアンチ・ドーピング裁判でシャラポワに課した活動停止処分を、「間違いのある決定」と呼んだ。彼はシャラポワが陽性反応を示したメルドニウムは、1月1日に禁止薬物リストに加えられるべきではなかった、というコメントを繰り返した。  オーストリアに本拠地を置くこのラケット会社によれば、パフォーマンスを向上するとされるメルドニウムの効果は科学的証拠を欠いており、その使用がアスリートの健康を害すると指摘する研究結果もないのだという。  「ITFは、WADA(世界アンチドーピング機構)によって行われた不完全なプロセスを基盤に決断を下したようだ」とエリアシュ氏は言った。メルドニウムが禁止されるべきか否かを決めた基準自体が間違っていた、とする彼は、WADAが科学的根拠ではなしに、メルドニウムを使っているアスリートの数をベースに決断を下したと主張した。  主に東ヨーロッパ出身の170人を超えるアスリートが、メルドニウムが禁止薬物となったあとの最初の3ヵ月に薬物テストで陽性反応を示した。メルドニウムは、歴史的にソビエト連邦の兵士の耐久力を向上させるために使われていた、血流を増すための薬品である。  4月にWADAは、メルドニウムが禁止になる以前に薬品の摂取をやめたケースもあり得ると示唆し、もしサンプルが非常に微量のメルドニウムしか示していなかった場合には、処罰を逃れられる場合もあると発言した。しかしそれは、シャラポワの場合には当てはまらなかった。  ヘッドは、3ヵ月前にシャラポワが仮の活動停止処分を受け、1月の全豪オープンのドーピング検査の結果を含む、薬物使用について自ら明かしたときにも、彼女への支援を表明していた。ヘッドは、彼女との新しいラケットの使用契約を発表することさえしたのだ。彼女は2011年からヘッドのラケットを使っている。  エリアシュ氏は、ヘッドは「ミス・シャラポワを支持し続けるだろう」と言った。

 またエビアンは、シャラポワのドーピング違反は「国際的なものではない」ため、変わらず彼女をサポートし続けるという言い方をした。  一方、TAGホイヤーとポルシェを含めた他のブランドは、3月にこの世界でもっとも高額を稼ぐ女子アスリートへのサポートを一時中断している。  シャラポワは活動停止処分を不服とし、スポーツ仲裁裁判所に上訴すると宣言している。  「私が意図的にアンチ・ドーピングのルールに違反したわけではない、ということについて法廷は正しい結論を下したけれど、アンフェアで無情な2年の活動禁止を受け入れることはできない」と、彼女は自信のフェイスブックで言っている。  シャラポワは、自分はこの薬品を様々な健康の問題のために10年間服用してきたのであり、昨年、禁止薬物の新しいリストをチェックすることを怠ってしまった、と主張していた。(C)AP