スーパーラグビーで戦うサンウルブズのヘイデン・パーカーは、黒地にオレンジで「狼」と書かれたキャップをかぶっている。

 チームが発売するグッズのひとつで、チーム名のモチーフとなった「ウルフ」にちなんだ一品。パーカーはこれを、練習前後などの移動時によくかぶっていた。

「帽子が好きなんです。漢字、意味はわかっていますよ。ウルフ、ですよね」

 身長175センチ、体重82キロと小柄なプレーメーカーは、ニュージーランド出身の27歳。地域代表選手権のオタゴ代表やスーパーラグビーのハイランダーズなどでプレーし、2015年度には日本のトップリーグにあるパナソニックに在籍。今季のスーパーラグビーへはサンウルブズの一員として参加する。
 
 ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチやトニー・ブラウン アタックコーチがかつてハイランダーズの首脳陣だったとあって、戦術理解は苦にしなかった。

 シーズンが終われば神戸製鋼に入り、久しぶりにトップリーグでもプレー。再来日のきっかけなどを問われると、大都会東京での暮らしぶりをにじませた。

「もともと今回日本に来るきっかけは、サンウルブズに入るからでした。ジェイミーから話を受けた時、以前に日本でプレーしていた経験から、すごくいいチャンスだと思ったのです。いまのところ日本を楽しんでいます。東京は、以前いた群馬県太田市(パナソニックの本拠地)とまったく違った環境。頭を東京に切り替えているところです」

 強豪国のプロチームが15チーム揃うスーパーラグビーにあって、今季のサンウルブズは開幕9連敗中。5月12日には東京・秩父宮ラグビー場でおこなう最後の試合を控えている。レッズとぶつかる第13節だ。チームは1週間の中断期間を経て7日に練習再開。同日午後の全体練習ではジョセフ不在のもと防御を確認していた。

 パーカーは田村優らとともにSOでの出場を目指している。今年初めて「狼」になった青年が、チームに初勝利をもたらすか。(文:向 風見也)