石川佳純 Photo:Itaru Chiba


 ゲームカウント3-0のストレート勝ちとは思えないほど内容の濃い一戦だった。5月4日に行われた「世界卓球2018スウェーデン(団体戦)」<4月29〜5月6日/ハルムスタッド>の大会6日目、日本女子代表チームは前日に結成された韓国と北朝鮮の「南北合同チーム コリア」と決勝トーナメントの準決勝で対戦。伊藤美誠(スターツSC)、石川佳純(全農)、平野美宇(日本生命)というベストメンバーで臨み、予選グループリーグから続くチームのストレート勝利記録を更新した。

 中でも立役者は2番手で登場したキャプテン石川だ。リオ2016五輪個人戦の1回戦でまさかの敗戦を喫して以来、因縁の相手だったカットマンのキム ソンイ(北朝鮮)とフルゲームの死闘にもつれ込み、最終の第5ゲームは相手の打球が8-7から3回もエッジボールになるアンラッキー。これには「何度も心が折れそうになった」と試合後に明かした石川だが、諦めず5回のデュースを乗り越え、このゲームを16-14で制して勝利をもぎ取った。

石川佳純 Photo:Itaru Chiba


 キム ソンイとは2月のチームワールドカップに次ぐ連勝とあって、「最後は自分を信じることができた。リオの自分は克服できた」と石川。実に清々しい表情を見せていた。

 この石川の雄姿に感化されたのは3番手の平野だ。「すごい感動というか、自分もしっかり波に乗っていかないとという気持ちになった」と話している。また、今回も先頭でいい流れを作った伊藤は翌日に控えた中国との頂上決戦に向けて、「目標は金メダル。決勝で勝つことしか見ていない」と気持ちを引き締めた。

 世界が注目する女子決勝トーナメントの決勝は現地時間5日14時30分(日本時間21時30分)に試合開始予定。

(文=高樹ミナ)