<世界卓球選手権(団体)2018年4月29日〜5月6日・ハルムスタッド>日本時間5月3日20時から行われた準々決勝で、予選ブロックを1ゲームも落とさず、45ゲーム連取で勝ち上がった日本女子が登場した。相手は2010年世界卓球団体優勝のシンガ…
<世界卓球選手権(団体)2018年4月29日〜5月6日・ハルムスタッド>
日本時間5月3日20時から行われた準々決勝で、予選ブロックを1ゲームも落とさず、45ゲーム連取で勝ち上がった日本女子が登場した。
相手は2010年世界卓球団体優勝のシンガポールを破り、勢いに乗るウクライナ。予選では3-0で日本女子が快勝したが、ウクライナも勢いに乗っているため、油断はできない。
試合結果を解説とともにお伝えする。
第1試合:伊藤 3-2 ペソツカ
決勝トーナメントの大事な初戦の1番で起用されたのは好調を維持する伊藤美誠(スターツSC・4月度世界ランク7位)。1ゲーム目の序盤からストレートコースへの攻撃をうまく使い、点差を広げた。
しかし2ゲーム目以降徐々にペソツカ(同182位)が伊藤のテンポの速い攻撃に対し、タイミングを外す作戦に変更。台から少し下がり緩急をつけられたボールに対し、焦って攻撃した伊藤がミスを重ねてしまう。
そこで伊藤はラリーに持ち込まず、サーブから3球目を積極的に仕掛ける速攻戦術でリードを奪う。
戦術転換が目まぐるしいこの試合、ゲームカウント2-1で伊藤がリードして迎えた第4ゲーム。伊藤は6-6から4連続ポイントでマッチポイントを握るも、ペソツカの驚異的な粘りの前に、逆転を許してしまう。
ゲームカウント2-2で迎えた第5ゲーム。伊藤はペソの回転量の多く、スピードがある攻撃に対しに防戦一方になり苦しむ。8-10でペソツカにマッチポイントを握られるも、伊藤は相手のフォアサイド手前にサーブを出し、相手が弱気に返してきたボールを、強気に攻めてデュースに持ち込む。
今大会、初めて訪れた接戦の場面。ここで伊藤の勝負強さが際立った。
10-10の場面でのみまパンチに加え、要所で強烈なドライブやスマッシュを放つなど、追い込まれた場面での強気の攻撃が光り、今大会初のフルゲームをものにした。
第2試合:石川 3-0 ビレンコ
2番の石川の対戦相手はウクライナのエースでカットマンのビレンコ。
石川はロングサーブを多用し、威力あるフォアハンド攻撃を広角に打ち分ける展開でビレンコを圧倒した。
カットで守っているだけでは勝機はないと判断したビレンコは、2ゲーム目以降自ら攻撃する展開を増やした。これに対し、石川は冷静につなぎ、逆に焦ったビレンコのミスを誘った。
石川は一時期苦手としていたカットマンに対し、今年に入って圧倒的な強さを見せている。
第3試合:平野 3-0 ガポノワ
平野美宇(日本生命・同6位)の対戦相手もカットマン。予選リーグでシンガポールの強豪、ユ・モンユを倒したガポノワ(同63位)だ。
平野はラリー序盤は回転をしっかりかけたドライブでガポノワを動かした後、カットマンが嫌がるミドル付近を強打し、得点を重ねる。
その後も平野は徹底して強打をミドルに集めて、相手を全く寄せ付けずストレート勝ち。
日本女子は終わってみれば圧巻のストレート勝ちで銅メダル以上を確定させた。今夜はいよいよ南北合同コリアとの歴史的対戦となる。
世界卓球2018女子団体準々決勝結果詳細:日本 3-0 ウクライナ
第1試合:伊藤 3-2 ペソツカ
11-4/6-11/11-5/13-15/13-11
第2試合:石川 3-0 ビレンコ
11-5/11-5/11-2
第3試合:平野 3-0 ガポノワ
11-2/11-5/11-1
文:ラリーズ編集部
写真:千葉格/アフロ