坂口佳穂インタビュー(1)

「新ビーチの妖精」などと称されて多くの注目が集まるなか、大学生ビーチバレーボール選手として着実に歩みを進めてきた坂口佳穂(22歳/マイナビ)。この春に晴れて大学を卒業し、本当の意味での”プロプレーヤー”となった。

 国内ツアーの優勝、ワールドツアーの表彰台、その先には東京五輪という目標もある。新たな気持ちで迎える4年目のシーズン、”ニュー・坂口佳穂”を見せることができるか。彼女を直撃して話を聞いた――。

――昨シーズンは大会をこなすごとに、一つひとつのプレーがよくなってきた印象を受けました。目標としていたベスト4にも、あと一歩のところまできていました。ご自身で振り返ってみて、いかがですか。

「昨年は(最初に組んだ)ペアがシーズン途中で解散してしまい、”チーム”というものが作れませんでした。それでも、次に向けて自分の技術を伸ばしていくことや、1大会のみのペアであっても、よくコミュニケーションをとって戦い方を組み立てるなど、決まったパートナーがいないことで学んだ部分がたくさんありました。

 また、ベスト4には届きませんでしたが、レシーブの形やボールの追い方など、技術面ではできることが増えました。プレーの質が上がっていることは、自分でも実感しています」

――昨年は「プレーのいいときと悪いときの差が大きい」という話もよくされていました。

「調子の波が大きかったと思います。それは、普段の生活の中でもよくあることなので、プレーと私生活はつながっているんだな、と改めて感じました。

 そういう意味では、気分屋な面や、学生だからといって周りに甘えてしまっていたところなど、私生活から直さないといけないと思います。特に今年からはもう学生ではないですし、職業としてビーチバレーボールをやっていくので、これまで以上にプロとしての意識や責任なども持たないといけないと思っています」

――このオフシーズンは、どういったトレーニングを行なってきたのでしょうか。

「ウエイトを中心に、スピード、筋持久力を上げることや、身体の使い方をメインにトレーニングしてきました。技術的には新しいもの(を取り入れる)というより、今持っているものの質を高め、心拍数が上がった状態でもできるように、重点を置いてやってきました。昨年までは、まだ(プレーの一つひとつに)不安定な部分があったので。

 とりわけ、意識してやってきたのは、スパイクの助走、そして形やリズムです。どんなトスが上がっても、同じ型で安定して打てるように、繰り返しこなしてきました。まだまだ完璧ではありませんが、試合中にそれができていないと気づいたとき、自分の中に戻れる場所、ベースというものは作れたかな、と思っています」

――今シーズンは、一昨年のパートナーだった鈴木悠佳子選手(30歳)と再びペアを組むことになりました。

「”復縁”ということで(笑)。悠佳子さんとは『離れてみてわかったことがたくさんある』と、お互いに話をしています。前回のときよりもコミュニケーションがよく図れていて、本音でいろいろなことを言い合えるようにもなっているので、”チーム”としていい形で進んでいます。

 悠佳子さんは昨年、海外でも結果を残して経験をさらに積んでいるので、とても頼りにしちゃっています(笑)」

――すでにふたりは、2月にオーストラリアで行なわれたワールドツアーに出場して5位タイ。地元のオーストラリアチームに勝つなど、好成績を収めています。

「久しぶりに悠佳子さんと組んで試合をしたのですが、お互いにいいプレーが出て、リズムよくゲームを運ぶことができました。コンスタントにサイドアウトが切れましたし、チームの決め事についても、ゲーム全体を通してできたことがよかったと思います。

 ふたりのコミュニケーションの取り方も、話す内容も、以前とはまったく変わっていて、お互いに成長していると感じています」

――ところで、今年の7月にはドイツのミュンヘンで行なわれる世界大学選手権に出場予定(大学卒業後、2年間は出場資格がある)ですね。選手選考会を経て、日本代表に選ばれました。

「同じ大学にパートナーがいなかったので、ずっと国内の大学選手権には出られず、学生の大会には縁がなかったんですが、今回やっとそのチャンスを得ることができました。ただ、これまで縁がなかった分、選手選考会はメチャクチャ緊張しました(笑)。

 代表ということについては、まだ実感はないですけど、気を引き締めていかないといけない。同世代の選手には負けられないと思っています。

 ペアを組む村上(礼華)さんはひとつ年下ですが、経験もありますし、とても魅力的なプレーヤーです。しっかりコミュニケーションを取ってチームを作り、ふたりで勝ちにいきたいと思います。(村上さんは)私にはないものをたくさん持っているので、盗めるものは盗もうと思っています(笑)」



プロとして、ふさわしいプレーを誓う坂口佳穂

――今シーズンの目標を改めて聞かせてください。

「やっぱり、国内ツアー(ジャパンビーチバレーボールツアー2018)の表彰台です。それで、その先の優勝を目標にやっていきたいと思っています。それを実現するには、いいリズムのときはとてもいいので、リズムが悪くなったときに、いかにベースを高く保てるかがポイントだと考えています。

 大学を卒業して、これからはビーチに充てる時間が増えるので、時間の使い方もしっかり意識して、きちんと生活をしていきたいと思います」

――2年後の東京五輪についてはいかがでしょう。目標として意識していますか。

「ワールドツアーにも出ていかないと、東京五輪に出場するのは難しいと思っています。ですから、今シーズンの国内ツアー前半戦で表彰台に上がって、シーズンの後半にはワールドツアーにも出場していけるようにしたいです。

 現状では、ワールドツアーも(エントリーポイントが必要で)出られる大会が限られているので、出場できる大会では悠佳子さんと一緒にがんばって、しっかり結果を残して、次の大会につなげていきたいです。

 東京五輪出場のチャンスは、まだあると思っています」

(つづく)