2018年クラシック候補たち
第13回:カンタービレ

 今年の牝馬クラシック戦線は、一冠目のGI桜花賞(4月8日/阪神・芝1600m)を完勝したアーモンドアイが断然の存在となっている。しかし、二冠目となるGIオークス(5月20日/東京・芝2400m)に向けて、アーモンドアイとは未対戦の馬たちが虎視眈々と戴冠を狙っている。

 栗東トレセン(滋賀県)の角居勝彦厩舎に所属するカンタービレ(牝3歳/父ディープインパクト)も、そんな「打倒アーモンドアイ」を目指す新興勢力の1頭である。

 昨年12月にデビューした同馬は、初戦、2戦目とも僅差で2着に敗れた。しかし初勝利を挙げた3戦目の3歳未勝利(1月27日/京都・芝1800m)では、圧倒的な強さを見せた。

 先行策から直線で早めに先頭に立つと、最後は2着に3馬身差をつけて快勝。上のクラスでも通用しそうな、素晴らしい内容だった。

 実際、カンタービレは次戦で重賞のGIIIフラワーC(3月17日/中山・芝1800m)に挑戦。粒ぞろいのメンバーを敵に回して、難なく勝利を飾った。



フラワーCを制したカンタービレ

 重賞の流れに戸惑うことなく、スタート後はスッと好位置につけて、道中は5~6番手を追走。直線を迎えて先頭に立つと、最後は外から差してきたトーセンブレスとの叩き合いを制して勝利した。

 好位から抜け出す横綱相撲の競馬はもちろん、トーセンブレスと並んでからも抜かせない二枚腰には、クビ差という着差以上の強さが感じられた。

 さらに、このとき下したトーセンブレスはフラワーC後、桜花賞に出走して4着と好走。その比較から、カンタービレが世代上位の力を持っていることは容易に想像できる。

 同馬はこのあと、満を持してオークスへと向かう。陣営としても、本番を大いに楽しみにしているようだ。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「未勝利、フラワーCと2連勝できたことについて、陣営は『能力がないとできないこと』と高く評価。カンタービレの素質面をかなり買っているようです。現にフラワーCでは、ごまかしの利かない競馬で押し切りました。『(オークスの)2400mの距離は何とも言えないが、実力はある』と、それなりの手応えをつかんでいることは間違いないでしょう」

 4戦中3戦でコンビを組んできたミルコ・デムーロ騎手は、オークストライアルのGIIフローラS(4月22日/東京・芝2000m)を勝った同厩のサトノワルキューレにも騎乗。本番のオークスでどちらの手綱を取るのかは、まだ決まっていない。

 先述のトラックマンによれば「どちらも期待の3歳牝馬だ」と、デムーロ騎手は2頭のポテンシャルに惚れ込んでいるという。最終的にどちらに鞍上するのか、かなり悩ましい選択となりそうだ。

 ちなみに、カンタービレがフラワーCを勝ったあと、桜花賞に向かわず、オークスに直行する理由について、トラックマンはこう明かす。

「カンタービレは420~430kg台と体の小さい馬で、レース後に馬体が減ってしまう面があるそうです。そのため、使い詰めで桜花賞に行くよりも、間隔を開けてオークスに向かったほうがいい、と判断したみたいです。

 厩舎にいると体が減るタイプで、今回もフラワーCのあとは短期放牧に出してリフレッシュ。状態はさらによくなっているようですよ」

 馬体重維持の難しさは、牝馬ならではの課題とも言える。しかしそこは、オークス2勝の実績を持つ角居厩舎の腕の見せどころ。成長一途のカンタービレは、決戦の舞台で凱歌を高らかにあげることができるのか、注目である。