今季4試合に先発して未勝利、“魔の5回”を越えられず カブスのダルビッシュ有投手が思うような結果を残せずにいる。今季はこ…
今季4試合に先発して未勝利、“魔の5回”を越えられず
カブスのダルビッシュ有投手が思うような結果を残せずにいる。今季はここまで4試合に先発し、勝ち星なしの2敗で防御率は6.86。“魔の5回”をくぐり抜けられず、投球回は19回2/3と規定投球回に達していない。まだシーズンは開幕から1か月が経ったばかり。ここから挽回する余地はいくらでもあるが、6年1億2600万ドル(約137億5600万円)の大型契約を結んだだけに、周囲からは早くも厳しい声が寄せられている。
では、実際にダルビッシュには何が起きているのだろうか。そんな疑問に答えてくれたのが、MLB公式サイトの特集だ。データ解析システム「スタットキャスト」で弾き出されたデータを基にメジャーを掘り下げていくポッドキャストを担当するマイク・ペトリエロ記者が寄稿した特集記事では、ここまで4試合で明らかに変わった3つのポイントを指摘している。
まず1つ目は「奪三振率の低下」だ。記事によれば、ダルビッシュは2016年には対戦打者の37.1%から三振を奪っており、100イニング以上投げた投手の中では2位だった。昨年はやや低下したものの27.3%で18位。だが、今シーズンはこれまで22.8%と大幅低下で、さらに規定投球回にも達していない。到達者と比べてみても44位相当だという。
続いては「与四球率の上昇」だ。2016年と17年に与えた四球は対戦打者の8%に満たない数字だが、今年は12%に上昇。実際、WHIP(1イニングあたりの被安打数+与四球数)を見てみると、2016年は1.12、2017年は1.16と高水準だったが、今季は1.63と大幅に上昇している。
最大の変化は「ボール球を追わせる率の低下」
そして、上記2つの原因にもなっているのが、3つ目の「ボール球を追わせる率の低下」だ。投手の基本はストライクを投げることだが、ストライクゾーンを攻めながらも打者にボール球を振らせてアウトを取ることもまた重要な投球術の1つだ。記事では、2016-17年に「ボール球を追わせる率が高かった投手10傑」には、シンダーガード(メッツ)、グリンキー(ダイヤモンドバックス)、クルーバー(インディアンス)、カーショー(ドジャース)、シャーザー(ナショナルズ)といったメジャー屈指の名投手に加え、田中将大(ヤンキース)が名を連ねるという。
ダルビッシュはトミー・ジョン手術を受ける前の2014年、そして手術から復帰後の2016年、2017年には、ほぼ32%のボール球を打者に追わせていたが、今年はそれが23%に低下しているという。メジャー屈指の決め球と言われたストライクゾーンの内から外に鋭く変化するスライダーでさえ、打者は25%しか追わず、ボール球で空振りを奪ったり、ゴロに打ち取ったりすることが難しくなっている。
以上のような明らかにマイナスの変化も見られるが、速球の平均球速94.2マイル(約152キロ)は昨季の94.3マイルとほぼ変わらず。さらに、打たれた打球速度は昨季の85.7マイル(約138キロ)から今季は84.8マイル(約136キロ)に下がり、打球の発射角も13度から11度に下がっているという。つまり、昨季よりもヒットが長打になる確率が低いということだ。
トミー・ジョン手術で戦列を離れていた2015年と2016年を除き、メジャー移籍以来4月に必ず白星を挙げてきた右腕。周囲の声を沈めるためにも、4月最後の先発となる27日(同28日)本拠地ミルウォーキー戦では力強いピッチングを披露して、快進撃の狼煙を上げたい。(Full-Count編集部)