ドミニク・ティーム(オーストリア)は4月19日、「男子テニスATPワールドツアー マスターズ1000 モンテカルロ」(モナコ・モンテカルロ/本選4月15~22日/クレーコート)の3回戦でノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦し、激しい競り合…

ドミニク・ティーム(オーストリア)は4月19日、「男子テニスATPワールドツアー マスターズ1000 モンテカルロ」(モナコ・モンテカルロ/本選4月15~22日/クレーコート)の3回戦でノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦し、激しい競り合いの末に勝利した。スコアは6(2)-7、6-2、6-3、試合時間は2時間28分だった。

ティームは、世界ランキングで現在は7位につけており、力強い片手バックハンドを武器にしているほか、フォア、バックとも大きなフォームから強烈なスピンボールを放つ。

また、クレーコートの大会で特に、結果を残してきたほか、「クレーに来るといい気分になる」と話すなど、同選手は土のコートを得意としている。

一方のジョコビッチは、いわずと知れた元世界ランキング1位で、ビッグフォーの一角だ。右肘の手術もあり昨シーズンはツアーを離れることもあったが、復帰後の調子を上げてきているとの見方もあるなど、動向が気になるところだ。

両者の過去の対戦成績では、ジョコビッチの5勝、ティームの1勝と実績面ではジョコビッチ有利の試合となった。◇   ◇   ◇

序盤からハイレベルな攻防を繰り広げる両選手だったが、先手を取ったのはティームだった。ゲーム冒頭の自身のサービスゲームをキープすると、2ゲーム目でジョコビッチのサービスで攻め込んだ。

ジョコビッチはいったん30-0とリードしたものの、ティームが3連続ポイントで、ブレークポイントを獲得。アドコートを中心に打ち合うと、ジョコビッチの短くなった返球をティームがオープンスペースにフォアでウィナー。早速ブレークを達成して、リードを手にした。

しかし、ジョコビッチが劣勢を跳ね返す展開。ティームが5-3とリードして迎えた9ゲーム目に、ジョコビッチは自身のリターンで40-15から、2セットポイントをそれぞれ凌ぎ、デュースへ。

ダブルフォルトでアドバンテージをとると、最後は、ティームが、鋭いアプローチショットで作った高い山形のチャンスボールに、ベースラインやや後ろからのグラウンドスマッシュをアウト。ジョコビッチがブレークし、ついに追いついた。

結局、両選手ともにその後はサービスキープを続けたためタイブレークへ。その中でジョコビッチは、ウィナー級のショットに対して、カウンター気味にウィナーを放つなど、全盛期を思い出させるようなプレーを見せた。結果、タイブレークを7-2で制して、ジョコビッチが1セット目を奪取した。

2セット目は逆に、ティームが攻め込んだ。第5ゲームで、前後左右に振られたジョコビッチがネットミスしてしまうなど、ティームが2ブレークポイント。ジョコビッチがデュースに逃れたものの、ティームが再びブレークポイントを手にすると、バックハンドでの打ち合いを制してブレークを手にした。

さらに、次のリターンゲームでもティームがブレーク。2ブレークアップのこのリードを守りきり、ティームはセットを奪い返し、スコアをイーブンに戻した。

最終セットに入ると緊迫したキープ合戦で序盤は推移。均衡が崩れたのは7ゲーム目だった。ジョコビッチが3-3で迎えた自身のサービスゲームで、ダブルフォルトで1失点したもののゲームポイントをつかむが、ネットミスなどからデュースに。ティームがこのチャンスを生かしブレークに成功。勝利に向けて大きな一歩を踏み出した。

結局、ティームは、続くサービスゲームをキープすると、9ゲーム目でもマッチポイントとなるブレークのチャンスをつかんだ。いったんマッチポイントを逃したものの、再びマッチポイントを握って押し切り、ティームの勝利が決まった。

ティームは次の準々決勝でラファエル・ナダル(スペイン)と対戦する予定だ。クレーを得意とするティームが、「クレーキング」ことナダルに挑戦することになり、見ごたえのあるゲームになりそうだ。(テニスデイリー編集部)

※写真は試合後に握手を交わそうとするドミニク・ティームとノバク・ジョコビッチ

(Photo by Julian Finney/Getty Images)