晴天に恵まれたFISE広島の最終日4/8(日)は、前日に決勝が行われた「スケードボードストリート」「パルクールスピードラン」「ブレイクダンス」以外の各競技の決勝が行われた。日本人選手の活躍が目立つ競技もあったが、逆に海外勢との差を痛感されられた競技もあり、記憶に残る戦いが繰り広げられた。各競技の結果は以下。

 UCI BMX Freestyle Park World Cup(BMXパーク・男子)


全日本チャンピオンであり、2020年の東京オリンピックでのメダル獲得が期待されている「中村輪夢」、2017年の全日本選手権(女子)で優勝した「大池水杜」など、期待の日本選手が出場したBMXパーク。今回の大会で最も観客を集めた競技のひとつだ。中村輪夢が9位、大池水杜が8位と大健闘したが、それでも海外勢の圧倒的なスキルが際立つ結果となった。いずれにせよ、見応え十分な内容だった。

中村輪夢


photo:maynagoya


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優勝したBrandon LOUPOSのラン

Kenneth Tencio | 2nd Final UCI BMX Freestyle Park World Cup – FISE Hiroshima 2018

1:Brandon LOUPOS       92.10 pts

2:Kenneth TENCIO        88.80 pts

3:Daniel DHERS             88.20 pts

UCI BMX Freestyle Park World Cup WOMEN(BMXパーク・女子)


BMXパーク女子では、期待された「大池 水杜」が8位という結果に。


photo:NORIX


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大池 水杜コメント

「今回は大会直前にあばら骨にヒビが入ってしまったりのケガもあり、コンディション的には正直、万全な態勢でいどめなかったので……。そういったコンディションを整えるということも今後は学んでいかなければならない課題です。いま練習している技もたくさんあるので、今後のワールドカップでどんどん入れていけるよう練習するしかないですね。今回、一番手応えのあった技は、ファーストランでバックフリップをきっちりメイクできたのは良かったかなと思います。決勝時は、たくさんのオーディエンスに囲まれて、ちょっとびっくりしました。こんなに多くの人の前でやるのは、海外を含めても初めてかもしれません。皆さんに応援していただけて、とても気持ちよかったです」

1:Hannah ROBERTS          84.70 pts

2:Angie MARINO                81.60 pts

3:Lara LESSMANN             80.80 pts

UCI BMX Freestyle Flatland World Cup(BMXフラットランド・男子)


photo:maynagoya


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2017年のFISEブタペスト大会で準優勝した「佐々木元」、世界大会で結果を残しワンハンドタイムマシンスピンのギネス記録を保持する「池田貴広」など、注目の日本人選手がエントリーしたBMXフラットランド。こちらも海外勢に押されたが、表彰台まであと少し、5位入賞で改めて存在感を見せつけたのがBMX界のレジェンド「森崎弘也」だった。ちなみに森崎選手は、2005年と2006年に行われたFISEで2連覇を果たした世界的に知られるトップアスリートだ。

優勝したMatthias DANDOISのラン

Matthias Dandois | 1st Final UCI BMX Flatland Worldcup – FISE Hiroshima 2018

1:Matthias DANDOIS             90.33 pts

2:Jorge GOMEZ                      89.13 pts

3:Alex JUMELIN                    86.50 pts

UCI BMX Freestyle Flatland World Cup WOMEN(BMXフラットランド・女子)


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1:Katagiri MISARI                  81.00 pts

2:Eriko ONO                            76.00 pts

3:Eri FUNATSU                      71.00 pts

IFSC Bouldering International Series(ボルダリング・男子)


photo:masahiromizuguchi


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2017年の世界ユースで複合部門1位を獲得、ユース世代のトップ選手「楢崎明智」が安定感のあるスムーズな登りで優勝。2位には「田中修太」、3位に「土肥圭太」が入り、日本の次世代を代表する期待のクライマーが表彰台を独占した。ボルダリング決勝時の会場前には多くの観客が集まり、課題に挑む選手達に大きな声援がおくられた。


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楢崎明智選手のコメント

「昨日よりも太陽が出ていて、ウォーミングアップもしっかりとできたのがよかったと思います。ゾーンのルールになってかなりゲーム性が増したというか、最後の最後まで結果がわからないという感じがやっていて楽しかったです。FISE広島、クライミングの大会ではありえないくらいの盛り上がりで、オーディエンスもノリノリ、僕もテンション上がって少し調子にのりすぎちゃったかなって気も(笑)。表彰台の2人は後輩なので絶対に負けたくなくて(笑)、とにかく勝ててよかったです」

1:Meichi NARASAKI              100.00 pts

2:Shuta TANAKA                    99.00 pts

3:Keita DOHI                           98.00 pts

IFSC Bouldering International Series(ボルダリング・女子)


photo:masahiromizuguchi


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2017 ボルダリング ワールドカップ世界ランキング11位、2018 アジアカップ1位という結果を残し、期待を集めた「小武 芽生」は3位に終わった。しかし、14歳の期待の新生「谷井 菜月」が2位に輝いた。

1:CléMentine KAISER           100.00 pts

2:Natsuki TANII                     99.00 pts

3:Kotake MEI                          98.00 pts

FIG Parkour World Cup(パルクール フリースタイル・男子)


photo:masahiromizuguchi


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世界で活躍する日本人アスリート「ZEN」、レッドブルアスリートの「佐藤健一」、開催地広島の若き新生「結城はじめ」など、日本人アスリートのエントリーに注目が集まったパルクールだが、今回は海外勢が表彰台を独占する結果となった。しかし、世界トップレベルの本物のパフォーマンスに多くのオーディエンスが引き込まれ、競技終了まで歓声が鳴り響いた。

1:PETKUNS Pavels

2:MULLER Waldemar

3:TOBIASZ Kamil

FIG Parkour World Cup(パルクール スピードラン・女子)

前日に行われたパルクール フリースタイル・女子決勝では、4位だった日本人パルクールアスリート「泉 ひかり」。8日のスピードラン決勝では、見事2位入賞し、銀メダルを獲得した。

1:NEVILLE Saskia

2:IZUMI Hikari

3:GRIUKACH Anna

WS Roller Freestyle Cup(アグレッシブインライン・男子)


photo:masahiromizuguchi


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世界王者「安床武士」を抑えて、「Joe ATKINSON」が金メダルを獲得。世界最高峰のスケート、FISE特有の会場を盛り上げるMCにオーディエンスも大満足の様子だった。

優勝したJoe ATKINSONのラン

Joe Atkinson | 1st Final World Skate Roller Freestyle Park Cup – FISE Hiroshima 2018

銀メダルの安床武士のラン

1:Joe ATKINSON                      87.75 pts

2:Yasutoko TAKESHI              85.00 pts

3:Julien CUDOT                       84.25 pts

WS Roller Freestyle Cup(アグレッシブインライン・女子)






2017年の世界大会で優勝している「東 千尋」が貫禄のランでFISE広島を制した。同ポイントの「片山 実咲」が2位で銀メダルを獲得。アグレッシブにトリックを繰り広げる男子とは異なり、女子のパフォーマンスは、流れるようにスムーズなラインが印象的だった。

1:Azuma CHIHIRO                 75.00 pts

2:Katayama MISAKI               75.00 pts

3:Manon DERRIEN                71.00 pts

FISE広島の取材を終えて

日本初開催となったFISE広島には、のべ8万6000人が来場した。競技の初日、8/6(金)は悪天候により、全競技が中止となってしまうアクシデントに見舞われたが、それでもこの来場者数は驚異的な数字だろう。

世界の最高峰に挑戦し、その舞台で活躍する日本人アスリートの姿を間近で見ることができる貴重なアーバンスポーツの祭典。

取材する側としても、いちオーディエンスとしても本当に楽しめた思い出深いコンテストとなった。

肩車されたキッズ達が目をキラキラと輝かせて、一生懸命に声援を送っていた姿がとても嬉しく、またとても頼もしく感じた。

大会を盛り上げた関係者、アスリート、オーディエンス、広島市民の方々、ありがとうございました! 来年もまたよろしくお願いします!