「こんな面白いスポーツは他にないと思うほど本当に面白かった」 「あの子の打撃の形を参考にしたんや」。 日本代表の選手たちが練習を行っていた佐野クリケットグラウンド。プロ野球からクリケットに転身した木村昇吾の視線の先に高橋和雅がいた。重心…
「こんな面白いスポーツは他にないと思うほど本当に面白かった」
「あの子の打撃の形を参考にしたんや」。
日本代表の選手たちが練習を行っていた佐野クリケットグラウンド。プロ野球からクリケットに転身した木村昇吾の視線の先に高橋和雅がいた。重心の低い打撃フォームから力強い打球を広角に飛ばす。まだ中学3年生の14歳。あどけない表情が残る少年だが、プレーのクオリティは代表の中でも周囲が目を見張るほど高い。1年前の13歳に史上最年少で日本代表入り。昨年は佐野クリケットクラブでも日本クリケットリーグ1部の優勝に貢献した。
クリケットが盛んな佐野で生まれ育ったことが運命的だったかもしれない。高橋は小学5年時に体育の授業でクリケットに出会うと、「僕は運動神経が特別良いわけじゃないし野球やサッカーもハマるほどまでいかなかった。でもクリケットは違いました。試合の最後の一球まで勝敗がわからない。こんな面白いスポーツは他にないと思いました」と夢中になった。平日も休日も練習や試合に明け暮れ、毎朝起きると無料動画サイト「YouTube」で世界トップリーグの選手たちの打撃フォームを練習する日々。年齢は関係ない。誰にも負けたくない。試合形式でボウラー(投手)を務めた際、木村にバウンダリー(野球でいうフェンス)をノーバウンドで超える6点の打球を2打席連続で打たれた。そのプレーに言及すると、表情が変わった。「木村さんは凄い。スイングの速さが全然違います。でも打たれたら悔しい。同じプレイヤーとして負けたくないです」と闘志をむき出しにしていた。
世界の頂点を目指すのは木村だけではない。14歳のクリケッターには大志がある。「クリケットの面白さを一人でも多くの人に知ってもらいたいんです。プレーする選手がどんどん増えてほしい。サッカーをメジャースポーツにしたカズ(三浦知良)さんみたいになりたい。将来はインドでプレーするのが目標です」。目を輝かせて力強く誓った。
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[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]