フランス・パリで開催されている全仏オープン(5月22日〜6月5日)の大会13日目、女子シングルス準決勝。 世界1位のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)がノーシードから勝ち上がったキキ・バーテンズ(オランダ)を相手に決勝進出を…

 フランス・パリで開催されている全仏オープン(5月22日〜6月5日)の大会13日目、女子シングルス準決勝。

 世界1位のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)がノーシードから勝ち上がったキキ・バーテンズ(オランダ)を相手に決勝進出を果たそうと骨を折っているとき、ガルビネ・ムグルッサ(スペイン)は、いつの日か、34歳のセレナが、ついに道を譲るそのときに――女子テニス界のトップにいざなうだろう、すべての武器を駆使してもう一枠の決勝へと邁進していた。

 そして、第4シードのムグルッサは第21シードのサマンサ・ストーサー(オーストラリア)を6-2 6-4で破り、初の全仏オープン決勝へ歩みを進めた。

 ムグルッサは2本のサービスエースを決めてマッチポイントをつかむと、最後のポイントはストーサーがフォアハンドをネットにかけて、1時間16分の戦いに終止符を打っている。これで、2015年ウィンブルドン決勝に続く、2度目のグランドスラム決勝の舞台となった。

 ストーサーは、第2セットのブレークポイントでのダブルフォールトを含め、自らのミスで崩れてしまった。

 しかしムグルッサも第2セットを5-2とリードしながら自身のサービスゲームでナーバスになり、ラブゲームでブレークされている。

 その終盤の勝ちびびりを別にすれば、ムグルッサはストーサーに対して非常に堂々と戦っていたと言っていい。彼女はベースラインから持ち前のスピードとパワーで、そしてときにネットでは安定性を見せて、ストーサーを圧倒した。

 ムグルッサの成熟ぶりは、ときに彼女がまだ22歳だということを忘れさせる。全仏オープンでこれまでに2度、準々決勝に進んだことのある彼女は、初の決勝進出への過程で、1回戦での1セットしか落としていない。

 第2セットで5-2から5-4まで追いつかれたものの、ムグルッサはストーサーの一連のミスにつけ込み、相手のサービスを5度ブレークしている。

 試合後のオンコート・インタビューで、5-2から5-4まで追いつかれた終盤について聞かれたムグルッサは、「(マッチゲームは)いつも難しい瞬間。私は本当に勝ちたかったから。あれは彼女のいいプレーと、私が少しナーバスになったことのコンビネーションだと思う」と答えた。

 決勝に向けてーー。 ムルグッサとセレナは過去に4度対戦し、セレナの3勝1敗だ。ただし、ムグルッサに希望を与えることもある。彼女がセレナから挙げた1勝は、2014年全仏オープン2回戦でのこと、6-2 6-2で勝った試合だ。つまりロラン・ギャロスのクレーコート上でのことなのである。  そして、ふたりの最後の対戦もまた、グランドスラム・タイトルを賭けた2015年ウィンブルドン決勝だった。そのときにはセレナが6-4 6-4で勝っている。

 セレナとの決勝に向けてムグルッサは、「感情は、ときに悪い影響を与える。だから落ち着きを保ち、できる限りしっかり準備をし、後悔がないよう精一杯プレーしたい」と話した。(C)AP