フランス・パリで開催されている全仏オープン(5月22日〜6月5日)の大会14日目は、女子シングルス決勝が行われる。対戦するのは、世界1位でディフェンディング・チャンピオンのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)と第4シードのガル…

 フランス・パリで開催されている全仏オープン(5月22日〜6月5日)の大会14日目は、女子シングルス決勝が行われる。対戦するのは、世界1位でディフェンディング・チャンピオンのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)と第4シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)だ。

 セレナはこの決勝を制すると、グランドスラム22番目のタイトル獲得となり、オープン化以降の最多記録タイ、シュテフィ・グラフ(ドイツ)が持つ記録と並ぶことになる。それ以上の記録には、マーガレット・スミス コート(オーストラリア)の「24」があり、あと2つと迫ることにもなる。

 ムグルッサは22歳ながら、前回のセレナとの対戦以来、自分は成長したと言っている。前回の対戦とは昨年のウィンブルドン決勝で、勝ったのはセレナ。ムグルッサにとって、それは初めてのグランドスラム決勝だった。

 彼女が今大会で、セレナと対戦するまでの道のりを見ると、1回戦のアンナ カロリーナ・シュミドローバ(スロバキア)に対して1セットを落とした以外、すべてストレート勝利だ。3回戦で元全仏覇者のスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)、準決勝で元全米覇者のサマンサ・ストーサー(オーストラリア)を破った試合も含まれる。彼女がいかに効率的に相手を片付けてきたか。そこから察するに、これからもムグルッサは多くの決勝を戦うことになる選手であることは間違いないだろう。  ウインブルドン決勝で、セレナに4-6 4-6で敗れたときを思い返し、ムグルッサは「私は緊張していた。ストレスを管理するのが難しかった」と話している。

 だが今、レッドクレーの上で戦うムグルッサはとてもパワフルで、セレナ同様の強い姿勢を持っている印象だ。 「コート内外で自分の感情をどうコントロールするかについて、多くのことを学んだ」とムグルッサは言う。「それは非常に重要なことよ。ときに感情を見せるということは、いいことではないから」。

 そう言う彼女はいま、氷のようにクールだ。

 テニスファンはセレナのあとの世代交代を切望している、とムグルッサは信じている。ウィンブルドンで「人々は新しい顔がほしい、と言っていたわ。新しい血がほしいって」とムグルッサ。

 「フランスの観客についてはよく知らないけど、彼らがセレナをすごく好きなことは知っている。だから、どうなるかは見てみましょう。ある人たちは彼女を応援し、ある人たちは私を応援してくれるでしょう…そうであるように祈っているわ」。(C)AP(テニスマガジン)