法政大学野球部の寮食は特殊だ。「葉隠勇進」という給食会社の社員が寮に滞在し、管理栄養士と二人三脚で選手たちの食事を作っている。その中でも松川喜政さんは、担当から約15年の大ベテランだ。厨房に立てば毎日100食以上を1人で作る”料理の鉄人”松川さんに、お話を聞いた。

ー毎日の献立は松川さんが考えている。

管理栄養士の方にアドバイスをいただきながら、栄養を考えて作っています。法政の野球部の寮は第一合宿所、第二合宿所と別れていますが、食事はみんな第一合宿所で取ります。やっぱり毎日身体を動かしているだけあって、みんなたくさん食べますね。ご飯だけで1kgぐらい食べる子もいますし、昼食に丼つくるとさらにその上に山盛りご飯入れたりしてますよ(笑)。毎日朝20kg、昼30kg、夜も25kgぐらい、ご飯を炊いています。でも食べきっちゃうし、朝練習がある日だと20kgでも足りない日もあります。

ー今日は1人しかおられませんが、いつも何人で調理されてるんですか?

基本的には1人だね。夕食の時は品数多くなるから盛り付けの人が来てくれるんだけど、基本的に調理は僕1人でやっています。選手のこれ食べたいっていうリクエストも栄養士さんに伝えて、実現できるか考えます。リーグ戦になると生物は避けたり、油を控えて湯通ししたり、油を抜いて調理するなど工夫しています。選手の中でよく食べるのは中山くん。食べる量がすごいですよ(笑)。頑張っているぶん、たくさん食べてくれます。

 

ー選手の数も多いですよね。苦労も多いのではと思いますが。

法政の選手は全員で120人くらいいるので、顔と名前をしっかり把握するのが難しい。でも、名前で呼ばれた方が嬉しいじゃないですか。だから1人でも多く覚えられるように頑張っています。選手が食事をしているときは、食べ残しをしているかどうか気にかけながら見ています。バランスを考えて作っているので、ちゃんと食べなさいって言いますけど、全然言うこと聞いてくれないんですよ(笑)。食事中に盛り上がっているのは4年生が多いですね。逆に1年生はまだ慣れてないのか大人しいですね。すぐに慣れると思いますけど。上級生はいつもにぎやかですからね。

ーやはり年数が経つと見えてくる部分も多いのですね。

付き合いが長ければ長いほど、情が湧いちゃいますよね。今年は4年生を筆頭に、本当に頑張ってもらいたいです。リーグ戦の間は勝ったり負けたりがありますが、僕はあまり選手の神経を刺激しないように。どんな試合結果でも食べて元気出してもらうだけです。優勝した時には、その分食事も豪華にしています。今年こそは、みんなでお祝いしたいですね!