2017春季リーグ戦で35季ぶりの優勝を果たし、続く大学選手権でも日本一を成し遂げた立教大学。その輪の中心にいたのは、まぎれもなく主将の熊谷敬宥(阪神)だった。そして今季、溝口監督が同じショートとして期待を寄せているのが江藤勇治(3年=東海…

2017春季リーグ戦で35季ぶりの優勝を果たし、続く大学選手権でも日本一を成し遂げた立教大学。その輪の中心にいたのは、まぎれもなく主将の熊谷敬宥(阪神)だった。そして今季、溝口監督が同じショートとして期待を寄せているのが江藤勇治(3年=東海大菅生)だ。江藤自身、高校時代に甲子園にも出場を果たし、中心選手としてチームをけん引。立大入学後の2年間は熊谷という壁に跳ね返され続けたが、今季はレギュラー奪取へ最大のチャンスが訪れている。そんなシーズンに挑む江藤の決意に迫った。


 

◎悔しさを味わった2年間、そして新チームへの思い-
「吸収できるものは、全て吸収してやろうと思っていた」

 

 

出場機会に恵まれなかった2年間。無駄な日々にはしたくないという強い思いが江藤の練習での意識を変えた。

下級生の頃は、同じポジションに熊谷さんがいたので、レギュラーを取れるとは正直思えなかったです。そこで何ができるか考えたとき、技を盗もうと考えました。『1番近くでプレーが見られるんだから、卒業するまでの間、盗めるものは盗んでやろう』と。まずは自分に足りない技術を吸収してやるという気持ちで毎日練習をしていました。

監督も新チームでの選手起用はまだ決めていないと思うので、今は自分のできることに取り組んでいきたい。信頼して使ってもらえる選手になって、リーグ戦開幕から思い切りプレーしたいですよね。僕のアピールポイントは、長打よりもバットコントロールの正確さを生かした打撃だと思っています。中軸というよりは1番や6番といった打順で投手に嫌がられるようなバッターになりたいです。

 

昨年の日本一は過去のもの。四年生を中心としながら、下級生もどんどん新チームを盛り上げて化学反応を起こしていく。

今年のチームは最上級生が団結して、どんどん引っ張ってくれます。昨年とは違ったチームカラーになり、練習の空気感がガラッと変わりました。例えば、練習への姿勢もただ数をこなすだけでなく、ひとつひとつのことにがむしゃらに取り組んでいます。下級生もグラウンドで主張しやすい雰囲気になってますし、チームとして良い方向に向かっているのではないでしょうか。全員でチームを盛り上げることを意識して明るく取り組めています。自分自身ムードメーカーだとよく言われますし、自覚はあるのでとりわけ明るく練習に取り組むようにしています。


 

 

◎飛躍のシーズンへ
「結果を残して自他共に認められるレギュラーになりたい」

 

同級生とは仲が良い。だからこそ野球では負けたくない。野球とプライベートの切り替えを大切にしている。

同級生の山岸哲也(3年=日大鶴ヶ丘)や笠井皓介(3年=桐蔭学園)には、野球で絶対負けたくないです。普段から同級生は仲が良いのですが、野球となると変わってくる。下級生の頃からAチームで一緒にやってきましたが、なかなか出場機会に恵まれませんでした。3人とも今年は試合に出るチャンスだと思っているので、負けたくない存在ですね。私生活でよく一緒にいるのは小倉大貴(3年=神戸国際大附)です。彼は学生コーチですが、自分の場合は自主練を手伝ってもらうというよりも、気付いたら一緒に部屋で過ごしていることが多いです。気を使わなくていい存在です。同級生のみんなは、グラウンドではライバル、寮ではいい仲間という感じです。


 

昨年のチームの悔しさを目の前で見た経験。秋の借りは春連覇で晴らす。スタメンを獲得して、優勝の原動力になる決意を胸にシーズンへ挑む。

チームは昨年、春に優勝しましたが、秋は悔しい思いをしました。今年は監督や選手も日頃から『春連覇』と目標を口にしています。そのつもりで冬場も練習をしてきたので、絶対に優勝したいです。

個人としての目標は、春のリーグ戦で確実にレギュラーを掴むこと。実績がないので年間通して結果を残すことで、スタメン出場できるようにしたいです。

今年のメンバーは、勢いに乗ったら間違いなく良いチームになっていくと思うので、まずは春季リーグ戦を全力で勝ちにいきたいです」

 


 

 

 

◇江藤 勇治(えとう ゆうじ)東海大菅生

1997年5月30日生まれ。右投右打。神奈川県出身。

高校2年時には主将として同期の勝俣翔貴(国際武道大)らと共に選抜出場を果たす。立大進学後、昨年(2017年)リーグ戦初出場含む4試合に出場。