NPBでは楽天・ペゲーロだけが20本以上マーク 今年は日米のプロ野球がほぼ同時に開幕。各球団の今年の陣容が明らかになった…

NPBでは楽天・ペゲーロだけが20本以上マーク

 今年は日米のプロ野球がほぼ同時に開幕。各球団の今年の陣容が明らかになった。日米で、際立って役割が異なるのが「2番打者」だ。かつてはつなぐ打者、送る打者の役どころだった2番打者だが、MLBでは「最強打者」の打順になりつつある。 

 以下はNPB各球団の開幕戦での2番打者の昨年の成績。 

〇パ・リーグ 

ソフトバンク(二)本多雄一 打率.213、0本8点3盗 
西武(遊)源田壮亮 打率.270、3本57点37盗 
楽天(右)ペゲーロ 打率.281、26本75点3盗 
オリックス(二) 山足達也(新人) 
日ハム(二)横尾俊建 打率.239、7本20点0盗 
ロッテ(遊)藤岡裕大 (新人) 

 パ・リーグではオリックスとロッテが新人選手を開幕から2番で起用している。ともに昨年は打線が不振で打順が固定できなかっただけに思い切った抜擢人事だ。2番には本塁打が少なく足が速い選手を起用するのが常道だが、楽天は昨年からチーム本塁打2位のペゲーロを2番に据えている。 

〇セ・リーグ 

広島(二)菊池涼介 打率.271、14本56点8盗 
阪神(二)鳥谷敬 打率.293、4本41点8盗 
DeNA(遊)大和 打率.280、1本16点2盗 
巨人(二)吉川尚輝 打率.273、0本0点1盗 
中日(遊)京田陽太 打率.264、4本36点23盗 
ヤクルト(右)山崎晃大朗 打率.242、1本13点6盗 

 セ・リーグはいずれも「つなぐ打者」が2番。DeNAは阪神から移籍した大和を早速、起用している。巨人は2年目の吉川尚を抜擢した。

ヤンキースのジャッジは50本塁打以上をマーク、MLB平均は20本

 一方、以下はMLBの開幕戦での2番打者の昨季成績。タイガース、パイレーツ、レッズ、ナショナルズは日本時間3月30日の試合が中止となったので、31日の2番打者。 

〇ア・リーグ 

レッドソックス(左)ベニンテンディ 打率.271、20本90点20盗 
ヤンキース(右)ジャッジ 打率.284、52本114点9盗 
レイズ(中)キアマイア 打率.276、15本39点16盗 
ブルージェイズ(三)ドナルドソン 打率.270、33本78点2盗 
オリオールズ(遊)マチャド 打率.310、33本95点9盗 
インディアンス(二)キプニス 打率.232、12本35点6盗 
ツインズ(一)マウアー 打率.305、7本66点2盗 
ロイヤルズ(二)メリフィールド 打率.288、19本78点34盗 
ホワイトソックス(右)Aガルシア 打率.330、18本80点5盗 
タイガース(三)カンデラリオ 打率.283、3本16点0盗 
アストロズ(三)ブレグマン 打率.284、19本71点17盗 
エンゼルス(中)トラウト 打率.306、33本72点22盗 
マリナーズ(遊)セグラ 打率.300、11本45点22盗 
レンジャーズ(一)ギャロ 打率.209、41本80点7盗 
アスレチックス(遊)セミエン 打率.249、10本40点12盗 

 昨年衝撃のデビューを果たし、本塁打王、新人王、MVPに輝いたアーロン・ジャッジは今年も2番打者。ジャッジのほかにもブルージェイズのドナルドソン、オリオールズのドナルドソン、エンゼルスのトラウトなどチームで一番良い打者を2番に置くチームが増えている。 

〇ナ・リーグ 

ナショナルズ(三)レンドン 打率.301、25本100点7盗 
マーリンズ(左)ディートリック 打率.249、13本53点0盗 
ブレーブス(二)アルビース 打率.286、6本28点8盗 
メッツ(左)セスペデス 打率.292、17本42点0盗 
フィリーズ(一)サンタナ 打率.259、23本79点5盗 
カブス(三)ブライアント 打率.295、29本73点7盗 
ブリュワーズ(左)イエリチ 打率.282、18本81点16盗 
カーディナルス(中)ファム 打率.306、23本73点25盗 
パイレーツ(二)ハリソン 打率.272、16本47点12盗 
レッズ(三)スアレス 打率.260、26本82点4盗 
ドジャース(遊)シーガー 打率.295、22本77点4盗 
ダイヤモンドバックス(中)ポロック 打率.266、14本49点20盗 
ロッキーズ(二)ルメイヒュー 打率.310、8本64点6盗 
パドレス(右)マイヤーズ 打率.243、30本74点20盗 
ジャイアンツ(二)パニック 打率.268、10本53点4盗 

 ナ・リーグも強打者が揃っている。ナショナルズのレンドンもヤンキースのジャッジとともに2番で100打点。出塁率も4割を超え、チャンスメーカーにも得点源にもなっている。2番打者の平均本塁打はNPBでは6.0本、MLBでは20.5本、平均打点はNPBでは32.2、MLBでは65.8。MLBでは2番打者はスラッガーのポジションになりつつある。 

 MLBでは、先制点が重要視される。1回に確実に打順が回り、打席数も多い2番に強打者を据えるのが定着しているのだ。もともと犠打や走者を送る打撃をしないスタイルだったが、さらに進化しつつある。日本では楽天だけがMLBと同様、強打者を2番に置いているが、この用兵が普及するかどうか、注目したい。(広尾晃 / Koh Hiroo)