ジョン・イズナー(アメリカ)は、「男子テニスATPワールドツアー マスターズ1000 マイアミ」(アメリカ・マイアミ/3月21~4月1日/ハードコート)でのタイトル獲得の瞬間、コート上を踊るように駆け回る予想外な敏捷性を披露して、大躍進の喜…

ジョン・イズナー(アメリカ)は、「男子テニスATPワールドツアー マスターズ1000 マイアミ」(アメリカ・マイアミ/3月21~4月1日/ハードコート)でのタイトル獲得の瞬間、コート上を踊るように駆け回る予想外な敏捷性を披露して、大躍進の喜びに浸った。

イズナーは、今月で33歳になり、ATPマスターズ1000の決勝で0勝3敗だった。しかし今回は、サービスゲームを一つも落とさず、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)との激闘を6(4)-7、6-4、6-4で制して、14年間のキャリアで最大のタイトルを獲得した。

優勝までの、キー・ビスケーンで重ねた勝利には、イズナー本人ですら驚いていた。同選手の今年の戦績は1勝6敗で、世界ランク50位以下の相手にも多く負けており、今回の「この瞬間を手に入れる準備はできていた。これまで3度決勝に進出して、このステージで3度敗れた。勝つ準備はできていた」とイズナーは振り返った。

また、同選手は、「想像もできなかった。とても情けないプレーをしていた。もっとも、テニスとはそういうものだ。少し自信が生まれると、うまく回り始める」と話した。

イズナーは、206cmの体躯に、フロリダの日差しよりもまぶしい笑みを浮かべながら飛び跳ねると、その長身が2倍にもなったように見えた。またトロフィー授与式で「こんな瞬間は再現できない。キャリアの終盤に差しかかっており、これは最高の瞬間だ」と語った。

一方で、若手の一人であるズベレフは、「今日は大会全体で犯したミスよりもたくさんミスショットをしたと思う。ベースラインからのプレーがまずかったが、ジョンが相手だと簡単ではない。ブレークされたらセットを失うかもしれないというプレッシャーを常に感じているわけだから」と語った。

ミスがほとんど許されないことを自覚していたからこそ、最終セットで5-4とリードされた時、ズベレフはフラストレーションをぶちまけた。

ラケットをコンクリートに叩きつけ、拾い上げたラケットをもう一度叩きつけてから、壊れたラケットを土産にと、同選手が優しく観客席へ投げた場面も見られ、明暗の分かれる結果となった。(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真は「男子テニスATPワールドツアー マスターズ1000 マイアミ」で勝利したイズナー

(Photo by Andrew Patron/Icon Sportswire via Getty Images)