専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第148回 ここ最近、ゴルフ場に行くと、若いキャディーさんを見かけることが多くて、びっくりしています。 こんなに若くて綺麗なキャディーさんが、指名代も払わずに半日相手をしてくれ…

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第148回

 ここ最近、ゴルフ場に行くと、若いキャディーさんを見かけることが多くて、びっくりしています。

 こんなに若くて綺麗なキャディーさんが、指名代も払わずに半日相手をしてくれるなんて、本当にいいのでしょうか。高級キャバクラに半日もいたら、10万円くらい平気でかかりますよ。それが、わずかなキャディーフィーで堪能できるなんて、夢のようです……。

 とまあ、だいぶ自分に都合よく解釈しましたが、確かに若い子がいろいろとゴルフの面倒を見てくれるだけで、すごく楽しいものです。

 それにしても、なんでキャディーさんが若返ったのか、今回はその謎に迫りつつ、話を進めていきたいと思います。

 直近で若いキャディーさんを見かけたのは、東京の名門コースでした。と、その前に、キャディーさんの現状について話をしましょう。

 実はバブル崩壊以降、キャディーさんの数は減少傾向にあります。昔からコースで働いていたキャディーさんも定年を迎えるなどして、徐々に減ってしまいました。

 ところが、あまりにも減りすぎたので、経営が順調なコースはキャディーさんを補充しなければなりません。そこで、せっかくなら新入社員として若い女性キャディーを雇おう、ということになって、ちらほら若いキャディーさんを見かけるようになったのです。

 振り返れば、ゴルフ場はバブル崩壊から、リーマンショック、東日本大震災と、さまざまなことが起こって大変でした。こういう試練を乗り越えて営業を続けているコースは、もう経営的には大丈夫という判断があり、人材の新規採用に踏み切るケースが多いのです。

 当然、都心部の名門コースは予算がありますから、男女問わずスタッフはフレッシュに様変わり。さらに地方のゴルフ場も、フロント業務を始め、新人が増えています。地方では、人気企業としてゴルフ場に就職するケースも結構あるそうです。

 加えて、キャディーも必要になります。ただ、キャディーに関してはフルタイムでは雇えないところも多く、そういうゴルフ場はフリーのキャディー、あるいは派遣キャディーを雇うようになりました。

 例えば、日曜日や祭日には、ゴルフ場ではクラブ競技がありますよね。その際は、キャディーさんが30人くらい必要になります。でも、平日はセルフプレーの客が多いので、10人もいれば、十分に対応できます。そこで、土日や祝祭日だけ、派遣業者からキャディーを寄越してもらうのです。

 ですから、関東の近郊コースでは、微妙にクラブ競技の日程が違います。例えば、Aカントリークラブの月例が第1日曜日だったら、Bゴルフ倶楽部の月例は第2日曜日とかね。

 これは、完全に派遣キャディーの需要と供給のバランスを考えてのことだと思います。AとBのゴルフ場が同じ日にクラブ競技をやったら、間違いなくキャディー不足になりますから。

 派遣キャディーさんは、こうしたスケジュールにフレキシブルに対応できる有能な人が多いです。必然的にフットワークの軽い若いキャディーさんとなります。ゆえに最近、若いキャディーさんが増えているようです。

 ということで、話を戻しましょう。その先日、東京の名門コースで出会った若いキャディーさんに話を聞いてみると、自分の働くテリトリーが決まっていて、その周辺のコースをぐるぐると回っているそうです。

 そのため、他のコースで偶然に出会うこともあります。「じゃあ、指名できるの?」と聞くや、「そういう制度はないですけど、必ずそのコースに行ってキャディー付きプレーをするのであれば、『知り合いのお客さんが来るから』と言って、そこで担当することはできます」とのこと。

 そういうキャディーさんもいしました! いやぁ~、指名できるなんて、まさにキャバクラ。「今度、必ず指名するからさ」と言って、キャディーさんとラインのやり取りもできるってことです。

 そういえば以前、取材がてらメアドを交換したキャディーさんがおり、あとで連絡を取り合いましたが、結構ぶっちゃけた話を聞けて面白かったです。

 プロを目指す研修生がいるコースでは、やはりそちらの方々と恋仲になる確率が高いようです。もちろん、メンバーさんとの恋愛もこっそりしているとか。なかなか、みなさんお盛んのようです。

 また、友だちがキャディーさんと知り合って、仲良くなったことがあります。そのときの口説き文句は、「東京に遊びにおいでよ。いろいろと案内するから」だそうです。

 関東近県の女の子なら、ときどき東京に出て来て買い物をしますもんね。そのついでにデートをするわけです。うまいこと考えますな。

 女性キャディーのことばかり書いていると、どこからかお叱りを受けるかもしれないので、男性キャディーの話も少々。

 たまに若い男性のキャディーさんがおります。それは、コース所属の研修生だったり、大学ゴルフ部のアルバイトだったり、昔どこかのゴルフ場に所属していて、それからフリーになってキャディーをしながらゴルフの練習に勤しんでいる人だったり、という人が多いです。

 若い男性キャディーの多くは、腕前も確かで、技術的にはすこぶる重宝します。ここはぜひ、お金持ちマダムのみなさまは、若い男性キャディーを指名して、優雅にゴルフを楽しんではいかがでしょう。

 女性のお客さん、特にマダム関係は、接客マナーに厳しいです。だからマジで、若い男性キャディーをあてがうのが一番よろしいかと。

 以前、国際線のスチュワーデス(当時はこう呼びました)から、「誰がうるさい客か?」という話を聞いたら、ファーストクラスに乗っているVIP客の奥さんが、一番細かくて、あれこれ注文をつけてくると言っていました。

 なるほど、”嫁と姑”みたいなものですか。オヤジ客はCAさんにサービスを受けるだけで、にんまりしていますからね。

 というわけで、オヤジの年齢になると、若い女性に求めるものは”技術”より”稚拙”であり、”知識”より”色気”です。夜の華やかな飲食店でもそうでしょ。ビールの注ぎ方がたどたどしい可愛い子ちゃんが一番モテる、となるわけです。

 とにかく、平均年齢60歳ぐらいのお客さんからしてみれば、ゴルフ場に若い女性スタッフがいれば、それだけで非常に活気づきます。



オヤジゴルファーはやっぱり若いキャディーさんが好きなんですよね...

 知り合いで介護をしている人に話を聞くと、40歳ぐらいの女性がお爺さんのところに介護をしにいくと、そのお爺さんはソワソワして、突如ヘアトニックなんかつけて、かしこまるそうです。やはり、どれだけ歳を取っても、異性を意識するんですな。

 これが、元気ハツラツのゴルフオヤジだったら、20代の女性と遭遇してごらんなさい。もう、フェロモン出まくりです。無意識にシニアゴルファーは足繁くコースに通うようになり、売り上げ倍増!? 案外、そういう効果をもたらすかもしれません。



好評発売中!

 月給20万円ぐらいで若い従業員を雇ったら、売り上げが1000万円増えたとか。まさに中日ドラゴンズの”松坂大輔効果”やん。

 この話、ちょっと盛り上がってきましたので、具体的なキャディープレーの内容は、次回ということで。お楽しみに。

 このように、カジュアルなゴルフの話をまとめた単行本『ヘボの流儀』は絶賛発売中です。どうぞ、そちらもよろしくお願いします。