3月13日、近鉄のジャージーを今季限りで脱ぐことになった佐藤幹夫、タウファ統悦、両選手のトークショーが、大阪・北浜の『ラグビー部 マーラー』で開催された。

 この会、チームや関係者が開いたものではなく、ファンが主体となって企画されたイベント。これまでもトモさん(トンプソン ルーク)ら多くの選手が、この日のようにラグビーを応援するお店を会場に、ファンとの交流を温めてきた。

 ミスター近鉄と呼ばれるミキオ選手、明るくアツいキャラクターで愛されるトーエ選手、2人の退団とあれば、いつものイベントよりもさらに多くの人が集まったのも納得だ。当日はラグビー解説でおなじみの村上晃一さん(前ラグビーマガジン編集長)がMCに入り、乾杯の音頭とともに楽しく、深いトークが始まった。チームへの愛情とともに、ミキオ選手は指導者の道について、トーエ選手は尽きないプレーへの意欲を語った。
 
 会の中盤のこと。村上さんが、2月に、トーエ選手のふるさとトンガをサイクロンが襲ったことに触れ、トーエ自身も実家が壊れてしまったことを明かした。近くの木が倒れ、屋根を破壊してしまったという。場内がにわかに静かになった。
 
 会も終わろうかという頃に、イベントを企画してくださったヌマタさんが、客席から立ち上がってトーエ選手にお見舞いを手渡した。「きょうの皆の会費から、一部を包ませてもらいました」とヌマタさん。トーエ選手は涙を浮かべて頭を下げていた。
 
 ここで、お詫びと訂正です。
 
 上記、(ラグマガ5月号でも紹介した)エピソードでありますが、取材者はこのお見舞いについて、その場で急きょ集めたものだと勘違いしていました。実はこのお見舞いは、企画段階からヌマタさんらが準備していたことだったそうです。事実確認が甘く、たいへん申し訳ありませんでした。

 ……もちろん、2人のおつかれさん会は、はじめから開く予定だったのだが、
「トンガのサイクロン災害のチャリティです、なんて先に表に出すと、トーエ自身が気を遣ってしまうだろうから」(ヌマタさん)

 ミキオ選手は16年、トーエ選手は13年をこんな場所で過ごした。
 
 なんという温かさ、選手とファンの心の近さ。近鉄が昇格、TL上位定着へ向けた改革で変わっていっても、この空気はきっと変わらない。(成見宏樹)

開場前、ファンへのプレゼント商品にサインをする二人