『恋して競輪ハンター』木三原さくら=9 Huntingつい1週間前に東京では雪が降ったとは思えないくらい、一気に春めいて、桜も満開となりました。春のうららかな空気とは別に、世の中は年度末。働くみなさんは慌ただしい日々だったりするのでしょうか…

『恋して競輪ハンター』木三原さくら=9 Hunting

つい1週間前に東京では雪が降ったとは思えないくらい、一気に春めいて、桜も満開となりました。春のうららかな空気とは別に、世の中は年度末。働くみなさんは慌ただしい日々だったりするのでしょうか?
私個人としては誕生日(更新日の3月28日です!)を迎えます。一つ歳を重ねるということで振り返ると、24歳でニコニコ生放送チャリチャンに出演するようなったことで競輪に出会いました。4年経っても新しいことを知る楽しみ、チャンスに恵まれています。……なんて、優等生ぶってみましたが、根がネガティブなので、つい始めたばかりの頃と比べてしまい、毎日が同じことの繰り返しのように感じてクサクサする日もあるのが正直なところ。それでも無駄なことはなく、一つ、一つを積み重ねていくことが大切だと、思わせてくれたきっかけがありました。


先日の松山G2ウィナーズカップで今年、最初のガールズケイリンコレクション2018松山ステージが行われました。選考期間は2017年の7月から12月。選ばれた7人のうち5人が昨年のガールズケイリングランプリ2017のメンバーです。残るは競技で世界と戦っていた小林優香(福岡106期)選手。そして、選考期間のスタートとなる7月にデビューした鈴木美教(静岡112期)選手でした。デビューして半年でガールズケイリンコレクションという大きなレースへの切符を掴んだ鈴木選手、今回のメンバーの中でどういう競走をするのかとても楽しみにしていました。
鈴木選手のレースで私が特に印象に残っているレースがあります。それは1月の松戸競輪の初日。奥井迪(東京106期)選手の後ろで外並走、いい位置が取れずに自ら仕掛けたかと思いきや、奥井選手に突っ張られ後退。もう無理か!そう思ったら、改めて追い込んでの3着。2度、3度と、踏み直せる脚力のことを私は“ゾンビ脚”という呼び方をしているのですが、そんな強靭(きょうじん)な脚力の持ち主なのかな?と、私はもちろん、周囲の競輪ファンも驚いていました。翌日に松戸競輪のCS放送担当者から
「鈴木選手はとても研究熱心で、考える人だから作戦もあったんじゃないかな」
そんな情報も仕入れて、デビュー半年で脚力はもちろん、レースの巧妙さも持ち併せているのかと。ますます気になる存在になっていったのです。

話題を今回のガールズコレクションに戻しましょう。鈴木選手は終始、小林選手を追走。各選手が次々と仕掛けていく中で小林選手はどっしり構えた後方。でも、鈴木選手は切り替えません。鈴木選手は小林選手の捲りに乗っていくも、最終バックで石井寛子(東京104期)選手と、さらには奥井選手と並走になってしまい、徐々に小林選手との車間が開いて、結果は5着。
初めての大舞台、鈴木選手には作戦があったのだと思います。その作戦は着にこそ結び付きませんでしたが、きっと彼女の糧となり、これからの競走につながっていくのでしょう。
グランプリという年にたった1回の夢の舞台に出るためにも1走、1走の賞金の積み重ね、もっと言えば日々の練習の積み重ねなのかも知れません。


競輪って、つくづく不思議なものです。フッとした瞬間、レースで感じた想いが自分の人生に重なって、勇気をもらったり、気づかされたりするんですよね。今回のガールズコレクションを見ながら、私自身ももう1度、気合を入れ直そうと思いました。
鈴木選手は5月の平塚競輪場で行われるガールズケイリンコレクションにも出場予定。今回一発勝負の大舞台を経験した彼女の走りが平塚で観られることが今から楽しみです!

【略歴】


木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている