自分たちのペースでゲームを進めていながら、ミスからゴールを許し、悪い流れを断ち切れずに失点を重ねる様子は、2日前の…
自分たちのペースでゲームを進めていながら、ミスからゴールを許し、悪い流れを断ち切れずに失点を重ねる様子は、2日前のベネズエラ戦をなぞるようだった。
「ミスを犯せばやられる。そこは必ずつけ込まれる。今日の試合も、前の試合もそうでした。勝負強さというのをもっと身につけなければいけないな、と思っています」

守備を固めるパラグアイのゴールは遠かった
試合後、森保一監督がまず言及したのも、まさにその点だった。若き日本代表は反発力を発揮できず、またしてもナイーブさを露呈してしまった。
チリ、ベネズエラ、パラグアイと対戦するU-21日本代表・南米遠征の最終日。ここまで1勝(PK戦勝ち)1敗の日本は3月25日、地元のパラグアイと対戦した。
最終戦のスターティングラインナップは、以下の11人である。
【GK】
小島亨介(早稲田大)
【DF】
中山雄太(柏レイソル)
杉岡大暉(湘南ベルマーレ)
アピアタウィア久(ひさし/流通経済大)
【MF】
初瀬亮(ガンバ大阪)
森島司(サンフレッチェ広島)
坂井大将(アルビレックス新潟)
三好康児(北海道コンサドーレ札幌)
菅大輝(北海道コンサドーレ札幌)
三笘薫(みとま・かおる/筑波大)
【FW】
上田綺世(あやせ/法政大)
過去2試合と同様、日本は狙いどおりディフェンスラインから攻撃を組み立て、パラグアイ陣内でゲームを進めていく。
ビルドアップにおいて迷いがなく、”浮いている”シャドーやアウトサイドにボールを素早く届ける様子は、3-4-2-1のフォーメーションの特性やチームの狙いを全体で共有していることをうかがわせた。
とりわけ好感が持てたのは、3バックの左に入った杉岡のプレーだ。ボールを持ち運んで相手のマークを剥がし、相手をおびき寄せてスペースを作る。簡単に預けるときと鋭い縦パスを狙うときのメリハリもよく、落ち着いてプレーしていた。
ただし、最後さえやられなければいい、とパラグアイに見切られていたフシもある。
4-2-3-1のパラグアイは守備時にサイドハーフを落として5バックに変更し、日本に対抗してきた。その最後の壁を、日本はこじ開けられなかった。
バイタルエリアまではボールを運べても、その先には侵入できない。ミドルシュートは見られず、1トップ2シャドー間の連係も少ない。左シャドーの三笘はドリブラーだけに、どうしてもスペースを求めてサイドに寄りがちで、中央でセンターフォワードの上田が孤立することが多かった。
もっとも、今大会は中1日で試合が組まれているため、トレーニングの時間が取れず、前線の連係を磨く時間がなかった。「攻撃のアタッキングサード、ペナルエティエリアあたりでのクオリティは上げていかないといけない」と森保監督が振り返ったように、これは今後のテーマになるだろう。
こうした流れで迎えた31分、相手コーナーキックの流れから菅がペナルティエリアのなかでファウルを犯し、PKから失点。さらに36分には、強烈なミドルシュートを叩き込まれて2点目を失った。その1分前の35分にもFKからゴールを脅(おびや)かされ、42分にもゴールに迫られている。前半のうちに相手の流れを断つことができなかった。
後半は、4分にパラグアイに退場者が出て数的優位となった。日本は3バックの中央の中山をボランチに上げ、12月のタイ遠征以来となる4-4-2へと変更。サイドからクロスを入れたり、コンビネーションで中央突破を図ったりして揺さぶりをかけていく。だが、ゴール前を固めるパラグアイの守備陣を攻略できない。
それでも79分、前半途中からアピアタウィアに代わって入っていたDF椎橋慧也(しいはし・けいや/ベガルタ仙台)のスルーパスから三好が右足で決めて1点を返すと、FW中村敬斗(ガンバ大阪)、MF松本泰志(サンフレッチェ広島)を投入し、勝負をかける。だが、FW前田大然(だいぜん/松本山雅)のシュートは枠を外れ、三好のボレーはGKの正面を突き、あと1点が届かなかった。
「相手に引かれた場合、ミドルシュートが一番だと思うんですけど、そう簡単に打たせてくれなかった。となるとクロスをもっと入れたり、自分が下がってドリブルしたり、ワンツーで崩す形を増やしていきたかった」
2試合目の出場となった17歳の中村は、そう悔やんだ。
パラグアイは決して内容がよかったわけではない。それでも彼らは守り切り、勝利を手繰り寄せた。一方、日本は多くの時間帯で主導権を握っていたが、流れを失った10分ほどの時間で2点を失い、勝利を逃した。
「技術的な部分でいえば、日本は十分やれる。ただ、南米の選手たちはうまいというより、強かった。勝負強さを含めて、結果を出すために、勝利するために、いろんな部分での強さを身につけないといけない」と森保監督は分析した。その勝負強さ、駆け引きの部分こそ、指揮官が南米勢との3連戦で学びたかったものに他ならない。
今遠征で感じられたのは、チーム内における温度差だ。すでにサバイバルに向けて危機感を持っている選手、まずはチームに慣れる必要のある選手、南米勢を相手に真剣勝負を挑んでいる選手、練習試合のように淡々とプレーしている選手、遠慮している選手などが混在しているように感じられた。
もっと悔しがって、もっと必死にアピールに努めていい。
今回の南米遠征に参加できたことは、大きなアドバンテージになるはずだ。果たして、どれだけの選手がこの貴重な経験を今後に生かすことができるだろうか。
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