昨年の覇者、相生学院(兵庫)を破ったのは、昨年関東選抜にも出場できなかった法政二(神奈川)だった。法政二は神奈川でも有数の進学校で、テニス部員は部活テニスしかしていない。それでもここまで勝ち上がってきた要因を德航太キャプテンは、昨年の悔しさ…

昨年の覇者、相生学院(兵庫)を破ったのは、昨年関東選抜にも出場できなかった法政二(神奈川)だった。法政二は神奈川でも有数の進学校で、テニス部員は部活テニスしかしていない。それでもここまで勝ち上がってきた要因を德航太キャプテンは、昨年の悔しさと、「監督の指導と部活だけでやっているからこそのチーム力です」と言う。

S2の米田(こめだ)圭佑は、「応援の言葉が心に響くので1人で戦っている感じがしません」と言うほど、声援に力をもらっている。D1の守屋達貴も、「1stセットを取られたけど、両サイドのシングルスも頑張っていたし、応援もベンチにも仲間がいて、部員の思いを信じて戦うことができました」と言う。本人もインタビュー時には声がほとんど出ない状態になるほど、試合以外の時間は仲間を全力で応援していた。チーム一丸となって戦っていることが選手たちの様子からも伝わってくる。

ダブルスを軸に勝ち上がってきているのも法政二の特徴だ。D1の青木一真は、「学校でダブルスのパターンをよく練習していて、練習通りできました」と言い、勝負を左右する勝利を挙げた。勝ちを決めたD2の佐藤太耀は、「パターン練習が多く、試合中にも練習でやったパターンが出て、練習のようにできました」、ペアの森田湧介は「それが身体に染みついています」と言い、試合を想定したダブルス練習に時間をかけてきたことがうかがえる。これも全員が部活だけでテニスをしているから可能なことだろう。

加えて、文武両道のポリシーの元、テニスだけに時間を費やすことはできない。しかしその状況もメリハリだと考え、試合中も攻守のメリハリをつけることにつなげていく。自分でモチベーションを上げることにも取り組んできた。今、1年かけて目指してきた頂点まであと一歩のところにやってきた。明日は、ここにいるメンバーだけではなく、支えてくれた引退した先輩の気持ちも背負って、全国決勝の舞台に立つ。

◇準決勝

法政二(神奈川)3-1 相生学院(兵庫)

日程

団体戦 3月21日~25日

個人戦 3月22日~23日(予選)

    3月24日~26日(本戦)

会場は博多の森テニス競技場、春日公園テニスコート

※天候等により日程が変わる場合があります。(©スマッシュ)

※写真は決勝に向けて気合いが入る法政二のメンバー

(©スマッシュ)