フランス・パリで行われている全仏オープン(5月22日~6月5日)は6月1日が大会11日目。連日の雨天のため、スケジュールが大きく乱れた大会はこの日、男女4回戦と一部準々決勝が行われている。 第9シードのビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)…

 フランス・パリで行われている全仏オープン(5月22日~6月5日)は6月1日が大会11日目。連日の雨天のため、スケジュールが大きく乱れた大会はこの日、男女4回戦と一部準々決勝が行われている。

 第9シードのビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)は10年ぶりに全仏オープンの準々決勝に進み、妹セレナと対戦することを目指していたが結局、叶わなかった。ビーナスと第8シードのティメア・バシンスキー(スイス)の4回戦は雨によって2度中断されて延期されたあと、6-2 6-4でバシンスキーが勝利を収めた。  ビーナスは2-0とリードし、かなりいいスタートを切ったが、その後、連続で8ゲームを落とした。試合全体を通してバシンスキーから6本しかウィナーを奪うことができず、その一方で24本のアンフォーストエラーをおかしている。  グランドスラム7度の優勝を誇るビーナスだが、全仏オープンで準々決勝に進出したのは2006年まで遡る。2002年に準優勝しているが、そのときはセレナに敗れていた。  一方、2日間も雨で待たされたあとの試合となった、ディフェンディング・チャンピオンのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)の4回戦は、時間を無駄にすることなく、わずか62分のプレーで第18シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)を破った。スコアは6-1 6-1だった。

 セレナは、22回目のグランドスラム・タイトル獲得に向け、また一歩進んだ。  月曜日から大会はずっと雨に悩まされている。この試合も、もともとは月曜日に終わるはずだったが、驟雨のせいで、この日の全試合がキャンセルになるという、16年ぶりの事態に陥っていた。翌火曜日にも、さらに雨が降り、合計2時間程しかプレーを行うことができず、ドローのトップハーフの4回戦が延期となった。  そして迎えた水曜日、曇り空で肌寒く、気温は16度にも至らない状況だが、少なくとも雨は降っていない。ようやく試合を進めていくことが可能になった。  ついにプレー再開となった、フィリップ・シャトリエ・コートの第1試合が、セレナとスビトリーナの試合だった。この試合は、グランドスラム大会で21回優勝しているチャンピオンが、一年前のパリで初めてグランドスラム大会の準々決勝に進出したという21歳をねじ伏せた、いかにもというくらいの圧倒的な試合となった。  セレナは8本のサービスエースを奪い、スビトリーナは0本、セレナが27本のウィナーを奪い、スビトリーナが10本という試合。さらにセレナはスビトリーナに22本のミスを強い、自身は8本あったブレークポイントのうち7本をセーブした。  昨年の全米オープン準決勝と今年1月の全豪オープン決勝で敗れたあと、セレナはこの全仏オープンでグランドスラム22回目の優勝、シュテフィ・グラフ(ドイツ)が持つ最多記録に追いつこうと努めている。  セレナは準々決勝で、第12シードのスアレス・ナバロ(スペイン)を7-5 7-5で破って勝ち上がったノーシードのユリア・プティンセバ(カザフスタン)と対戦する。  4回戦でビーナスを破ったバシンスキーは、2015年全仏オープンの準決勝でセレナに敗れている。もしもバシンスキーが次の準々決勝で、世界ランキング58位のキキ・バーテンズ(オランダ)を破ると、ふたたび同じ場所(同じ対戦相手)にたどりつく。バーテンズは、第15シードのマディソン・キーズ(アメリカ)を7-6(4) 6-3で破り、初のブランドスラム大会の準々決勝進出を決めた。  バーテンズが今大会でシード選手を破ったのは、これで3度目だ。1回戦で全豪オープン優勝者で第3シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)を、3回戦では第29シードのダリア・カサキナ(ロシア)を下していた。

【女子シングルス4回戦】※[ ]数字はシード順位

○セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)[1] 6-1 6-1 ⚫エリナ・スビトリーナ(ウクライナ)[18]

○ユリア・プティンセバ(カザフスタン)7-5 7-5 ⚫カルラ・スアレス ナバロ(スペイン)[12]

○キキ・バーテンズ(オランダ)7-6(4) 6-3 ⚫マディソン・キーズ[15]

○ティメア・バシンスキー(スイス)[8] 6-2 6-4 ⚫ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)[9]

―――――

○シェルビー・ロジャーズ(アメリカ)6-3 6-4 ⚫イリナ カメリア・ベグ(ルーマニア)[25]

○ガルビネ・ムグルッサ(スペイン)[4] 6-3 6-4 ⚫スベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)[13]

○サマンサ・ストーサー(オーストラリア)[21] 7-6(0) 6-3 ●シモナ・ハレプ(ルーマニア)[6]

○ツベタナ・ピロンコバ(ブルガリア)2-6 6-3 6-3 ●アグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)[2]

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