水谷 隼 写真:新華社/アフロ 2018年シーズンのITTFワールドツアーは3戦目の「ドイツオープン」<3月20~25日/ブレーメン>を迎えた。今大会も前回カタールオープン同様、最高格付けのプラチナ大会で獲得ポイントが高く、世界ランクに大き…

水谷 隼 写真:新華社/アフロ

 2018年シーズンのITTFワールドツアーは3戦目の「ドイツオープン」<3月20~25日/ブレーメン>を迎えた。今大会も前回カタールオープン同様、最高格付けのプラチナ大会で獲得ポイントが高く、世界ランクに大きく影響するとあって、どの選手も意気揚々だ。ちなみにプラチナ大会の男女シングルスで優勝した場合の加算得点は500ポイント。これはプラチナでない大会の2倍にあたる。2020年東京五輪の日本代表選考が本格化する今シーズン。その指標の一つとなる世界ランクの変動からも目が離せない。



 3月23日にスタートする決勝トーナメントの男子シングルスに楽しみな対戦が複数ある。まずは世界ランク3位で第1シードのオフチャロフと同じブロックに入った張本智和(JOCエリートアカデミー)。お互い2回戦を勝ち上がれば、準々決勝で対戦が実現する。これまでの対戦成績はオフチャロフが2戦2勝。これまで一度も勝ったことのない張本は倒したい選手の一人にオフチャロフの名前を挙げており、その理由を「決してきれいではなく枠にはまらないプレースタイルとパワー卓球を攻略したい」と話している。

 次に丹羽孝希(スヴェンソン)と同じブロックに入ったブラジルの若手カルデラノ。お互い初戦を突破し2回戦で当たれば面白くなりそうだ。世界ランク6位の丹羽に対し、カルデラノは同15位だが、現在21歳で伸び盛りのカルデラノは前回カタールオープンの男子シングルス準決勝で中国の成長株・林高遠をストレートで撃破し準優勝。これが大きな話題をさらった。両ハンドの強打を武器に波に乗るカルデラノを丹羽の超速攻カウンターがどう迎え撃つかに注目したい。

 そしてもう1組、こちらもお互い初戦を順当勝ちすれば2回戦であたる水谷隼(木下グループ)と馬龍(中国)。シングルスではまだ一度も勝ったことのない馬龍に、最近は前陣での速い攻撃やチキータなどに磨きをかけている水谷がどう挑むのか。新たな戦術に期待が高まる。




<男子シングルス 決勝トーナメント日本人出場選手>
丹羽孝希(スヴェンソン)WR7
張本智和(JOCエリートアカデミー)WR12
水谷隼(木下グループ)WR14
吉村真晴(名古屋ダイハツ)WR20
大島祐哉(木下グループ)WR27
上田仁(シェークハンズ)WR23
吉田雅己(協和発酵キリン)WR36
※WR=3月時点での世界ランク