グラウンドのボールを片付けると、跡地の芝がくっきりと目立った。3月21日、東京都町田市にあるキヤノンスポーツパークは雪に見舞われる。

「緊張感のあるいい合宿ができました。集中してできた。この(天候の)なかでもミスも少なかったですし」
 
 こう語るのは、神戸製鋼所属の安井龍太である。12日から関東各地でおこなわれていた「男子セブンズ・デベロップメント・スコッド強化合宿」の最終日の練習を終えた直後のことだ。ダミアン・カラウナ ヘッドコーチのもと、精鋭がサーキットトレーニングと戦術確認をおこなっていた。安井は続ける。

「この天気に対応したボールの運び方も(臨機応変に)できた。そこがよかったと思います」

 身長187センチ、体重105キロ。神戸製鋼が加盟する15人制のトップリーグではLO、FLなどでプレーする28歳のプロ選手だ。

 主将を務めた東海大時代には毎春、7人制に時間を割いていた。15人制とは似て非なる競技とされる7人制へも、なじみが深い。

 7人制は、オリンピックの正式競技だ。安井は2016年、オリンピックリオデジャネイロ大会直前の代表候補になっている。

 さらに前年度のトップリーグ終了後は、3月1~3日のラスベガス招待大会参加のためのアメリカ遠征などにも呼ばれた。セブンズに求められるフィジカリティと運動量を有する1人として、期待がかけられる。

 翌年以降のトップリーグ期間中の招集依頼があった場合については「チーム側と話していかないといけない」と話すが、2020年のオリンピック東京大会への思いは強いという。

「2020年のオリンピックを狙える位置にいるというのは、光栄なことです。チャンスをいただいている以上は、活かしたい。いまはオフシーズンということもあって、チームからも『成長して帰ってこい』と言っていただいています。とりあえずいまは、目の前の昇格大会に向けて頑張りたいです」

 今回のキャンプの主な目的は、4月の「ワールドラグビーセブンズシリーズ 2018-2019コアチーム予選大会」(香港)への選手選考だ。ここでのコアチームとは、各国代表が世界を転戦するワールドシリーズに常時出場できるチーム群のこと。予選大会でコアチーム入りを決めたチームは、翌年度のワールドシリーズへ常時出場できる。

 男子7人制日本代表は2016-2017シーズンのワールドシリーズでコアチームから陥落している。オリンピックでのメダル獲得に向けては、強豪国との対戦機会を増やせるコアチームへの復帰を果たしたいところだ。安井はまず、セレクションの結果を心待ちにする。(文:向 風見也)