慎ましいフィジアンが練習生になった。

 昨年近鉄に加入したセミシ・マシレワが、国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズのトレーニングスコッド(練習生)となった。つかの間のオフを過ごしていたところ、ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチからラブコールを受けたようだ。

 本隊が南アフリカ遠征中だった3月7日から、国内残留組が参加するナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)のキャンプへ参加。都内のグラウンドでおこなわれた全体練習では、WTB、FBの位置に入って持ち前のスピードとフットワークを披露した。充実感をにじませる。

「タフでした。何も練習をしていなかったところからいきなり身体的にきついことをしましたので。ただ、とても気持ちがいいです。プロ選手として身体をシェイプして、コンディショニングができて。フィーリングは最高です。サンウルブズには外国人選手もいて、彼らが仲良くしてくれました。お互いにハードワークしてプッシュアップしている、プロフェッショナルとしていい空間だと思います」

 身長184センチ、体重93キロの25歳。スーパーラグビーでは過去に、オーストラリアのウェスタン・フォースへの在籍歴を持つ。2016年5月7日のサンウルブズ戦(東京・秩父宮ラグビー場/〇40-22)にも途中出場していたが、「日本のランニングラグビーが自分のスタイルに合っている」と感じ来日を決めた。2017年から近鉄でプレーし始めた。

「フィジーはいつでも帰れます。だから、いまは違うチャレンジがしたい」

 視線の先にあるのは、日本代表入りだ。他国代表経験がないマシレワは、国内在住3年以上でそのチャンスを得られる。日本に居を構えたのは2017年とあって、2019年のワールドカップ日本大会出場は果たせないだろう。それでも、いまあるチャンスはつかみたいところだ。

 サンウルブズでの本契約へは「できるかどうか、私にはわかりません」としながら、「できるだけハードワークして、周りの人とコネクトしていきたいです」。日々の練習で信頼を得て、早期の公式戦出場を叶えたい。

「日本代表はとても働くチームなので、私自身ももっと働かないと。レベルアップをしたい。日本代表入りは、私のゴールです」

 次世代を担うWTB候補の隊列に、アイランダーの新星が名乗りを挙げそうだ。
(文:向 風見也)