日本時間17日におこなわれた「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/3月7~18日/ハードコート)で、ダリア・カサキナ(ロシア)が3時間近くにおよぶベースラインでの打ち合いの末、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)に4-6…

日本時間17日におこなわれた「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/3月7~18日/ハードコート)で、ダリア・カサキナ(ロシア)が3時間近くにおよぶベースラインでの打ち合いの末、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)に4-6、6-4、7-5で逆転勝利を収め、決勝に進出した。

第3セット、20歳のカサキナはゲームカウント4-5で迎えた第10ゲームで0-30とされ、あと2ポイントで敗退という状況に追い込まれたが、ビーナスが4本連続でミスを犯し、試合は5-5のタイとなった。

最後の2ゲームは、ビーナスに2ポイントしか与えず、カサキナがものにして2時間48分の試合を制した。カサキナはベースライン付近にラケットを落とし、顔を両手で覆いながらネットまで歩いた。

握手を交わしたあと、カサキナは拳を突き上げ、37歳のビーナスに勝利し、自らのキャリアとしては最高グレードの大会での決勝進出を決めたことが信じられないといった様子で頭を小さく振った。◇   ◇   ◇

大胆不敵なカサキナは、時折ベースラインからショットを打たずにドロップショットでビーナスを翻弄し、そのうち2本はネットをぎりぎりで越えサイドライン付近に落ちた。さらに、身長185センチのビーナスの頭上にロブショットを放った。これは、成功もあり失敗もあったが、本人はそれを意に介さずにプレーを続けた。

第1セットはゲームカウント1-3とリードを許した状況から挽回したビーナスが先取した。

カサキナが第1セットを落とすと、コーチのフィリップ・デハースがコートに下り、「彼女は37歳で君は20歳だ。相手を多く動かすんだ」と指示を与えた。

第2セットでも再び1-3とカサキナがリードしたが、カサキナがダブルフォルトを犯してブレークを喫し、ゲームカウント3-3のタイになった。それでもカサキナが再度突き放し、このセットをものにした。第8ゲームは、長く厳しい展開となり、デュースの回数は8度にもおよんだが、カサキナはそのうち6度のブレークポイントをしのいだ。そしてビーナスはフォアハンドを左に外してこのゲームを落とした。

第3セットの前に、コーチが再びカサキナの元を訪れ「いけるか?」と尋ねると

「もちろんです」とカサキナが答え、2人はタッチを交わした。

ビーナスはサービスゲームをラブゲームでものにしてゲームカウント5-4とリードし、次のカサキナのサービスゲームでも0-30とリードを奪ったが、その後、フォアハンドにミスが出てこの第10ゲームを落とした。

ビーナスは2回連続でダブルフォルトを犯して続くサービスゲームを落とし、ゲームカウントは5-6とカサキナがリードした。そしてカサキナの2回目のマッチポイントでビーナスのバックハンドがネットを越えず、試合が決した。

今回の試合でカサキナの対ビーナスの通算成績は2勝1敗となっている。(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真はビーナスを破って決勝進出を果たしたカサキナ

(AP Photo/Mark J. Terrill)