今季スーパーラグビーで初勝利に飢える日本のサンウルブズが、2016、2017年と2季連続の準優勝チームで今年の南アフリカ・カンファレンスでも首位に立つライオンズと、80分間互角の戦いを繰り広げた。しかし、アウェイでの金星にわずかに届かず。…

 今季スーパーラグビーで初勝利に飢える日本のサンウルブズが、2016、2017年と2季連続の準優勝チームで今年の南アフリカ・カンファレンスでも首位に立つライオンズと、80分間互角の戦いを繰り広げた。しかし、アウェイでの金星にわずかに届かず。ジョハネスバーグ(エミレーツエアライン・パーク・スタジアム)で現地時間3月17日におこなわれた激闘は、40-38でライオンズが制した。

 サンウルブズはキックオフからノーサイドの笛が鳴るまで、果敢に、鋭く前へ出て、ライオンズにプレッシャーをかけ続けた。開始早々にPGチャンスを得、CTBウィリアム・トゥポウが決めて先制した。

 サンウルブズのモールディフェンスにも手を焼いていたライオンズだが、前半7分、FLフランコ・モスタート主将のラインアウトスチールから攻めたて、走力もあるHOマルコム・マークスが中央突破、左へ大きく振り、FBアンドリース・クッツェーがWTBレメキ ロマノ ラヴァを振り切ってゴールに飛び込み、流れを変えた。

 17分にもサンウルブズは相手のモール攻撃を止めたが、直後のスクラムでターンオーバーされ、連続トライを許す。

 しかし21分、マイケル・リトルとトゥポウの両CTBが敵陣深くでプレッシャーをかけてサンウルブズボールのスクラムとし、セットプレーからの攻撃をFB松島幸太朗がフィニッシュし、点差を詰めた。

 27分にライオンズのHOマークスがファイブポインターとなり、9点差とされたサンウルブズだが、31分、SH流大のキックをチェイスしたWTBホセア・サウマキが相手SHロス・クロニエにプレッシャーをかけてボールを奪い返し、フォローしたFL徳永祥尭がPRクレイグ・ミラーにつなぎ、トライが生まれた。

 その後もサンウルブズはラッシュディフェンスでプレッシャーをかけ続けるなど互角の戦いを演じ、17-19の2点差で折り返した。

 しかし後半のキックオフ直後、ライオンズのWTBアピウェ・ディアンティが敵陣深くでSO立川理道のキックをチャージしてトライを奪い、点差は広がる。

 それでも勇敢な狼は食らいつき、50分(後半10分)、自陣10メートルライン左でボールをもらったWTBサウマキが3人のタックラーを振り切ってゴールに持ち込み、流れを引き戻した。
 サンウルブズはさらに59分、またもラインスピードを上げてプレッシャーをかけ、ハーフウェイでLO姫野和樹がインターセプト、約50メートルを走り切って31-26と逆転した。

 だがリスタート直後、サンウルブズに反則があり、ゴール前でラインアウトとなったライオンズはモールを組んで押し、HOマークスが抜け出して同点トライ。SOエルトン・ヤンチースのコンバージョン成功で再び勝ち越した。

 サンウルブズが67分に敵陣深くでのラインアウトをスチールされ好機を逃した一方、ライオンズは71分、ゴール前ラインアウトできっちり確保、モールからボールを動かしてパワフルなWTBローアン・ヤンセファンレンズバーグがトライを取り切り、9点差に広がった。

 粘るサンウルブズは79分、自陣深くからのキック&チェイスでバウンドボールをSO中村亮土が確保し、サポートしたFLヴィリー・ブリッツがHO坂手淳史につないでトライを奪い、ゴールキックも決まって2点差としたが、残りわずかな時間で逆転劇は生まれず、ノーサイドとなった。

 南アフリカ遠征から帰国するサンウルブズは、次節(3月24日)、東京・秩父宮ラグビー場でニュージーランドの強豪、チーフスと対戦する。