プロレスラーの武藤敬司が人生最後のムーンサルトプレスを決めた。今月末にヒザの人工関節手術を受ける武藤は、この試合でムーンサルトプレスを封印すると宣言していた。

ムーンサルトプレスは武藤の代表的な技のひとつだった。対戦相手をリング上で仰向けに寝かせ、自らはコーナー最上段に駆け上がる。相手に背を向けた状態でトップロープから飛び、バック宙を決めながらボディプレスで3カウントを奪う見た目にも派手な飛び技だ。

使い手は小柄で身軽な選手に多いが、武藤はヘビー級の体格でも得意技にしていた。ムーンサルトプレスへの思い入れは強く、「跳躍力もないし、不格好かもしれないけど、気持ちのこもったムーンサルトだったと思います。武藤敬司悔いなし。あれができたから、海外に出れたし、トップに這い上がることができたし、今までの武藤敬司はムーンサルトありきですよ」とレスラー人生を支えてくれた、偉大な技だったと振り返っている。

最後の試合では河野真幸にシャイニングウィザード3連発からのムーンサルトを決め、教え子をピンフォールした。何百回、何千回とマットに打ち続けられたヒザが悲鳴を上げ、決して「颯爽とコーナーへ駆け上がる」動きではなく、痛む足を引きずりながら、それでもファンに最後のムーンサルトを見せた。

「今日の後楽園ホール。生涯最後のムーンサルトプレスを決めた。グッバイ! ムーンサルトプレス!! 悔いなし」

武藤がヒザを痛めていることは、プロレスファンなら誰もが知っていることであり、最近は日常生活でも歩行に支障をきたすほどだった。人工関節手術の話は今までも何度か出たが、プロレスを続けられないことを危惧して躊躇ってきた。しかし、医療の発達により、人工関節にしても復帰できる可能性が出たことが、今回の手術に武藤を踏み切らせた。

3月15日にはブログを更新して、「武藤敬司は新たな武藤敬司として戻ってくる。まだまだプロレスLOVE」と復帰への意欲を示した。

人生最後のムーンサルトを決めた武藤にファンからは、「ムーンサルト最高でした」「ムーンサルト素晴らしかったです。初めて見たときの衝撃は忘れられません」「会場でしっかりと見させていただきました。涙が止まりませんでした」「たくさんの勇気をありがとうございます。必ずカムバック待ってます!」などのコメントが寄せられている。