統一では6年ぶりの日本人選手、監督は「先発もできるし期待している」 昨年までBCリーグ新潟アルビレックスBCに所属していた左腕・知念広弥投手が台湾・統一ライオンズに移籍することになった。同球団では12年の鎌田祐哉氏以来となる日本人選手となる…

統一では6年ぶりの日本人選手、監督は「先発もできるし期待している」

 昨年までBCリーグ新潟アルビレックスBCに所属していた左腕・知念広弥投手が台湾・統一ライオンズに移籍することになった。同球団では12年の鎌田祐哉氏以来となる日本人選手となる。 

 3月13日、台湾・統一ライオンズは入団テストを受けていた知念広弥投手との契約を発表した。球界全体では14年の正田樹投手(現愛媛)、統一では12年の鎌田祐哉氏以来となる日本人選手が誕生することになった。 

 28歳左腕の知念は16年に九州三菱自動車からBC新潟に入団。昨年は主に中継ぎとして18試合に登板し2勝2敗、防御率4.35の成績を残した。これまで日本球界入りを目指して大学や社会人、独立リーグと多くの舞台で投げてきたもののその夢は叶わず、昨シーズン最後に引退を表明した。 

 一度は引退した左腕だったが、野球への情熱は尽きることがなかった。3月になると彼の姿は台湾にあった。その理由は第4の助っ人を探していた統一のテストを受けるためだ。そのテストには自費で参加し、ブルペン投球や試合を通じて首脳陣にアピール。元々は150キロの直球とツーシームやスライダー、フォークなど多彩な変化球を武器にどこでもこなせる万能選手なだけにテスト中の評価も高かった。 

 実戦テストでは韓国・ネクセンヒーローズ2軍と8月のアジア大会に出場する台湾代表トレーニングチームとの試合で中継ぎとして登板し、それぞれ2回1失点と好投。この結果が評価され正式入団となった。台湾メディア『ETtoday運動雲』では「知念は昨年9月を最後に試合に出ていないこともあってシーズンの始めは2軍で調整させる可能性が高い。テスト中は最速143キロを計測したしツーシームもよかった。彼は先発もできるし期待している」と統一・?甘霖(ファン・カンリン)監督のコメントを紹介している。 

「目標は10勝」と語っていた知念は海を越えてプロ生活を続けることになる。たとえNPBの球団に入団できなくとも視野を広げれば海外でプレーする機会がある。今回の知念の台湾球界入りは日本人選手に新しい選択肢を提示したのではないだろうか。 (苅田俊秀 / Toshihide Karita)