春場所優勝争いは関脇御嶽海に注目!

白鵬、稀勢の里の両横綱が休場し混戦が予想される春場所の優勝争い。

一人横綱の鶴竜も初場所千秋楽に負傷した右手指が完治しない中での強行出場、大関高安に待望の初優勝のチャンス到来か、栃ノ心が連覇を果たすのか、三役力士の初日、二日目の取組内容から春場所の優勝争いを展望する。

以下、

(優勝予想)番付 しこ名(初日、二日目の対戦相手と勝敗)

(✕)小結 千代大龍(●鶴竜、●琴奨菊):
秋場所あたりから体重を増やして立合いの強烈な当たりと、リーチの長い突き押しからの引落しの緩急の妙で勝ち星を重ね、久しぶりの三役復帰の千代大龍。基本的に真っ直ぐ押すか真っ直ぐ引くかの単調な相撲のため、引き技だけを警戒すれば上位にとっては難しい相手ではない。鶴竜戦、琴奨菊戦と2日続けて立合いで胸が合ってしまいリーチの長い突き押しを封じされて連敗。優勝争いに割って入る事はないだろう。

(△)小結 逸ノ城(〇琴奨菊、〇高安):
先場所に引き続き怪力ぶりをいかんなく発揮しての連勝発進。逸ノ城の恵まれた巨体は前に出る相撲を取る限りは破壊力充分だが、15日間安定して勝ち続けるスタミナには不安が残る。2日目はタイミングの良いはたき込みで大関高安から勝ち星を挙げたが、この引き癖は悪い流れを引き寄せかねない。千秋楽までの優勝争いを勝ち抜くのは厳しいか。

(△)関脇 栃ノ心(〇宝富士、✕玉鷲):
先場所の初優勝の相撲そのままに、前に出る圧力で右を差し左上手を取る万全の相撲で白星発進。宝富士の巨体が浮くほどの力強い左上手の引きつけからの寄り切りは正に「横綱相撲」。先場所14勝のうち9勝を挙げた栃ノ心の寄り切り相撲が今場所も優勝争いの中心か。2日目の玉鷲戦は一転して玉鷲の圧力に体が浮いてしまう脆さを見せてしまった。場所前稽古での左足のケガが影響しているのか、15日間の本場所を戦い抜くには不安を残す2日目の相撲。

(◎)関脇 御嶽海(〇荒鷲、〇宝富士):
体の張りツヤを見る限り、場所前の稽古も順調。初日は軽量級の荒鷲相手とは言え、まわしを掴まずに、右の差し手と前に出る圧力だけで荒鷲をひっくり返すすくい投げは優勝争いを十分に期待できる力強さ。2日目も右からの強烈なおっつけで実力者宝富士の攻め手を封じて、最後は右を差しての万全の寄りで難なく連勝スタート。初場所は栃ノ心に吊り出しで連勝を止められてからの大崩れで優勝争いから脱落したが、今場所は雪辱を果たして初優勝を狙ってもらいたい。栃ノ心の場所前稽古の左足のケガを考慮して今場所の優勝候補は御嶽海と予想。

(△)大関 豪栄道(●玉鷲、〇荒鷲):
圧力自慢の玉鷲相手に立合い低くあたる事を意識し過ぎたか、終始下を向いたままの攻めで玉鷲の引き技に脆くも崩れて土俵を割り黒星発進。流れの中で左で前まわしを掴むまでは豪栄道の相撲だったが、一気に前に出て圧力をかける事ができず上体から突っ込んでしまって足がついていかずに黒星発進。2日目は荒鷲相手に立合い右を差してからの一気の電車道で相手に何も相撲を取らせない大関の相撲を見せたが、全勝優勝した時の豪栄道の相撲とは程遠い。

(✕)大関 高安(●遠藤、●逸ノ城):
大関に昇進した時は立合いで仕切り線の近くからの迷いのないかち上げの爆発力で圧倒する相撲を見せていたが、初日の立合いは仕切り線の後ろのほうからの様子見のような迷いの相撲。2日目も立合いの当たりで逸ノ城の懐に入り切れずに、相手の引き技に簡単に土俵に手を付いてしまう痛恨の連敗スタート。高安の腹回りの膨れ上がりと突き押しのときの背中に波打つ肉は場所前の稽古不足の表れか、初場所に引き続き初優勝のチャンスは遠いと予想。

(△)横綱 鶴竜(〇千代大龍、〇遠藤):
低く当たって右の前まわしを取る鶴竜の相撲、命綱となる右手の指を痛めながらの強行出場。初日の相撲こそ、突き押し相撲の千代大龍の圧力を組み止め、負傷の右手で前まわしを引きつける鶴竜の相撲で結びの一番を締めくくったが、立合い前の表情には右手指の状態への不安が読み取れる。2日目は好調遠藤相手に右の前まわしを掴む事ができずに相手の下からの攻め上げに我慢できずに引いてしまい、勝ち名乗りを受けても首をかしげるような表情。先場所のように一度の黒星を引きずり連敗する気持ちの迷いが心配、優勝争いの本命に挙げるのは難しいか。

(大穴)前頭筆頭 玉鷲(○豪栄道、○栃ノ心):
先場所に引き続き平幕優勝の可能性があるとすればベテラン玉鷲。初日に大関豪栄道、2日目に関脇栃ノ心と優勝争いを期待される力士を連破し、腰の重たい玉鷲の相撲の健在ぶりを示した。35歳からの大関取りを公言する大ベテランが荒れる春場所の台風の目となるか。

本命不在の春場所の優勝争いは、御嶽海が初優勝に向けて頭一つ抜け出していると予想。明日からの取組も目が離せない。

(文:表参道の公認会計士)