「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/3月7~18日/ハードコート)の1回戦、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)対ザリナ・ディアス(カザフスタン)が行われ、7-5、6-3のストレートでセレナが勝利した。カムバック後の最初…

「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/3月7~18日/ハードコート)の1回戦、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)対ザリナ・ディアス(カザフスタン)が行われ、7-5、6-3のストレートでセレナが勝利した。

カムバック後の最初の試合でプレーするためにコートへ出たとき、セレナは珍しく笑みを見せた。メジャー大会23度の優勝を誇るセレナにとって、今回のテニスはこれまでとは違う。

変わらなかったのは、セレナの勝利だ。

長女の出産で14か月にわたってツアーを離れていたセレナは「BNPパリバ・オープン」の8日のナイトセッション1回戦で復帰し、カザフスタンのディアスを7-5、6-3で退けた。

「試合前に泣いてしまいそうになった」とセレナは言う。「夫のアレクシスにメールして、泣きたくなるのって普通なの?って聞いちゃった。娘がそばにいないのが寂しくてたまらなかったけど、夜の試合だからずいぶん楽だった。娘はベッドで寝ているのはわかっているから。今はあの子がいたらプレーできない」。

試合はレシーブを選択したセレナがディアスを追いかける展開になったが、第1セット第11ゲームでディアスをブレークした。ディアスのフォアハンドがネットにかかった瞬間、セレナは「カモン!」と絶叫し、観客は歓声を上げた。「今は、特にこのトーナメントでは、できるだけ気楽に構えて自分にあまりプレッシャーやストレス、期待をかけないように気をつけている。今は珍しくそれができているみたい」。

「BNPパリバ・オープン」にセレナは22位というプロテクトランキングで出場している。2011年の「ウェスタン&サザン・オープン」以来、シードされなかったトーナメントはなかった。「失うものはなにもなくて、得るものしかない」というセレナは「私にとっては、ここにいることが大きな喜び」と続けた。

客席が半分埋まったスタジアムは温かくセレナを迎え、彼女がコートに姿を見せると、立ち上がって拍手するファンも多かった。セレナは最初のサービスゲームを、時速161㎞を超えるサーブでエースを取るなど、ラブゲームでキープした。第1ゲームと第5ゲームでブレークポイントを握ったものの、活かすことはできなかった。ゲームカウント5-5となった時点で強打が出始め、あのうなり声も戻ってきた。

第2セット開始後間もなく、ディアスとセレナは共に相手のサービスゲームをブレーク。その後、セレナは再び相手ゲームをブレークすると、スタジアムを半分埋めた観客の前で5ゲームを連取して勝負を決めた。微笑みながらネットに歩み寄り、家族はスタンディングオベーションを贈った。

「ちっとも簡単じゃなかった」と試合後のコートインタビューで語ったセレナは、「いつも競り合うセットがある。いい試合だった。私はちょっと錆びついているけど、気にしない。私はこの旅路でベストを尽くすだけ」。

オハニアン氏は妻のために、パームスプリングス郊外の州間高速道路10号線沿いに4枚のビルボードを購入した。そのビルボードには、セレナと娘の写真に「史上最高の母親」という言葉が書かれ、アレクシス・シニアとジュニアというサインが添えられている。現在セレナは娘を連れてツアーに参戦しており、オハニアン氏が休みの日は同氏も加わっている。「こんなことをするのは初めて。間違ったことをしてしまうこともあるのはわかっているし、それはそれでかまわないと思っている」。(c) AP(テニスデイリー編集部)

※写真は8日に1回戦で登場したセレナ・ウイリアムズ

(AP Photo/Crystal Chatham)