水谷隼 Photo:Itaru Chiba

 2018年シーズンITTFワールドツアー2戦目の「カタールオープン」<3月6〜11日/ドーハ>決勝トーナメントが3月8日にスタートする。同大会はツアー最高格付けの「プラチナ」にあたり獲得ランキングポイントが高いこと、さらに今シーズンから新しい世界ランクのポイントシステムが採用され積極的な大会参加を余儀なくされたことで、卓球帝国・中国も続々とトップ選手がエントリーしている。もちろん日本もフルメンバーを送り込んでおり、男子ではエースの水谷隼(木下グループ)が2017年11月のドイツオープン以来、約4カ月ぶりのワールドツアー出場となっている。



水谷は世界ランク2位の樊振東、張本は1位のボルと同ブロック

 先週末の「ジャパントップ12」<3月3日/東京・駒沢>男子シングルスで全日本新王者の張本智和(JOCエリートアカデミー)を決勝で倒し、全日本選手権敗戦のリベンジを果たした水谷が意気揚々だ。

 カタールへ発つ直前の羽田空港で「久しぶりのワールドツアー出場なのでワクワクしている」と話した水谷は、2020年東京五輪を見据えて強化中だというチキータレシーブについて、「身についてはいないが、リスクを背負ってでも多めに使わないといけない。チキータレシーブをマスターすれば相手にとって自分がさらに脅威になるはず。また、サーブからの3球目攻撃もチキータで先手を取っていけるようにしたい」と、現代の卓球におけるチキータの必要性を強調した。


 その水谷は決勝トーナメント1回戦を勝てば2回戦で、強烈なチキータを放つ世界ランク2位の樊振東(中国)との対戦が濃厚。現在21歳で最も勢いのある中国の若手を相手にベテランの腕が鳴るといったところだろう。

 一方、張本は最新の世界ランクで1位に返り咲いたボル(ドイツ)と同じブロックに入った。双方が順当に勝ち上がれば準々決勝で対戦することになる。ちなみにボルといえば、2017年8月のチェコオープン決勝で張本と対戦し、張本がゲームカウント4-2で勝利したのが記憶に新しい。この時、張本はワールドツアー史上最年少で初優勝を飾った。今回再びボルに勝つことができれば、前回の勝利がフロッグでないことを証明できるのだが、張本が本調子でないのが気になるところだ。


<男子シングルス 決勝トーナメント出場選手> WR=世界ランク
丹羽孝希(スヴェンソン)WR7
張本智和(JOCエリートアカデミー)WR12
水谷隼(木下グループ)WR14
吉村真晴(名古屋ダイハツ)WR20
大島祐哉(木下グループ)WR27