ロジャー・フェデラー(スイス)がネット中央で膝立ちになったままで、ジャック・ソック(アメリカ)のバックサイドに繰り返しボレーを打ち込んだ。アメリカ人スター選手であるソックはついに返球できなくなり、ポイントを取ったフェデラーの顔には笑みが浮ん…

ロジャー・フェデラー(スイス)がネット中央で膝立ちになったままで、ジャック・ソック(アメリカ)のバックサイドに繰り返しボレーを打ち込んだ。アメリカ人スター選手であるソックはついに返球できなくなり、ポイントを取ったフェデラーの顔には笑みが浮んだ。すべてが楽しい雰囲気に包まれていた。

両選手が出場したダブルスの試合は3月5日の夜に行われたフェデラーのエキシビジョンマッチである「マッチ・フォー・アフリカ」でのことで、公式戦にはカウントされない。が、1万5000枚を超えるチケットを売り上げたこのエキシビジョンマッチの利益はアフリカの子供たちの教育を支援するフェデラーの基金を通じて運用される。

「マッチ・フォー・アフリカ」の会場では、スモークトンネルの中から会場に登場すると、大歓声と高く掲げられた数千台もの携帯カメラに、フェデラーは迎えられ、自身のキャリアでは初めて、ベイエリアのコートに立った。

フェデラーは、冒頭からマイクロソフトの創業者のビル・ゲイツを完璧なパートナーとして称賛し、観客を和ませた。「ビルは数字のことをとてもよく分かっています。決してスコアのミスをすることはありません。自分が足を使って動き、ビルが頭で考えます」とフェデラーはジョークを飛ばして、観客の笑いを誘った。

また、ビル・ゲイツとのペアで挑んだ、ソックとNBCの番組「トゥデイ」に出演するサバンナ・ガスリーのペアとの試合でも、フェデラーは「君はボールを見ようとしないといけない。僕を見るのをやめてね」などとガスリーと掛け合う中で、冗談を放った。

ほかにも、ソックがゲイツの頭上に放ったロブに、フェデラーは「自分が取る」と言ってゲイツを制したが、追いつくけなくなる場面もあった。

ソックも試合前に「ロジャーのところに打ってはだめだ。僕はキャリアの中で彼に勝ったことがない」と冗談を言ったり、「アフリカのために開催するこの試合は、本当に特別なものです」などとも話した。

一方で、明るいピンク色のポロシャツに身を包んだゲイツは、「おお、ああ」などと声を出しながらショットを放つ姿が印象的で、ポイントを失わないよう奮闘した。ゲイツは「自分はパートナーの選び方に長けていると思います」とフェデラーとのペアで試合を6-3で勝利した後に振り返った。

(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真は「マッチ・フォー・アフリカ」でのロジャー・フェデラー(右)とビル・ゲイツ

(AP Photo/Jeff Chiu)