「第一子を出産したセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)がグランドスラムのシングルス優勝の最多記録の24勝を近いうちに塗り替えるだろう。もしかすると今シーズンにも、更新するかもしれない」。伝説的なプレーヤーであるクリス・エバート(アメリカ)はそう…

「第一子を出産したセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)がグランドスラムのシングルス優勝の最多記録の24勝を近いうちに塗り替えるだろう。もしかすると今シーズンにも、更新するかもしれない」。伝説的なプレーヤーであるクリス・エバート(アメリカ)はそう予想している。

エバートの見方によれば、セレナは今シーズンのグランドスラムで最低でも1度は優勝するといい、エバート自身は「セレナが優勝しないほうに賭けることはできません。セレナが2勝したら驚くでしょう。彼女は1つのタイトルを獲得すると思っています」と最近のAP通信の電話インタビューで答えている。

36歳のセレナは破竹の勢いでメジャータイトルを獲得してきた。2015年の「全豪オープン」でエバートとマルチナ・ナブラチロワ(アメリカ)の18勝という記録を抜き、その後の3年間でさらに4つのメジャータイトルを獲得してきた。

現在、23個のメジャータイトルを保有するセレナは、3月5日の夜にはアメリカ・ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでのエキシビジョンマッチに出場しており、続いてカリフォルニア州インディアンウェルズで開催される大会にも出場を予定している。来週からWTAツアーに復帰すれば、1年以上にわたって不在にしてきたツアーレベルの大会への出場となる。

そのセレナは2017年の9月に第一子を出産して以来、健康面での深刻な問題を抱えたため、1月の最初のメジャー大会である「全豪オープン」への出場は叶わなかった。

エバートによると、セレナがさらなるメジャータイトルを獲得するために最大の鍵となるのが、芝のコートで開催される「ウィンブルドン」だという。

「『ウィンブルドン』では、パワーが物を言い、ラリーが長くならないため、セレナには最も有利な大会になるでしょう。セレナには強力なサーブがあります。全米オープンはハードコートで気温も高いため、難しい大会になるでしょう。この大会ではより的確に動き、しっかりと適応することが求められます」とエバートは解説する。

一方でレディットの共同創設者アレクシス・オハニアンと結婚し、第一子のオリンピアを出産したセレナにとって、テニスと家族の両立は新たなチャレンジとなる。

エバートはその点について「子供を持つと、それまでにはなかった精神面の要素を得られます。セレナに対して、懐疑的な人がいると、いつも成功すると言い続けています。それが彼女に力を与えるインセンティブとなり、勝ち続けるのです」と話している。(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真は2016年の「WTAファイナルズ」の記者会見に出席中のクリス・エバート

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)