ラグビー日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ(HC)発案の強化機関、ナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)は、3月5~8日の日程で「2017年度 第7回合宿」を実施中で、2日目の6日は東京・辰巳の森ラグビー練習場で今回初の公開練習があった。

 稲垣啓太や田村優ら現在スーパーラグビー(国際リーグ)の南アフリカ遠征中であるサンウルブズの国内残留組、垣永真之介や茂野海人ら今季のサンウルブズには加わらなかった代表経験者、西川征克などの代表未経験者が日本代表およびサンウルブズと同種の戦術練習、さらには持久力強化メニューなどで汗を流す。

 昨春のNDSはジョセフHCが指揮していたが、ジョセフHCがサンウルブズの指揮官も兼ねる今季はヤマハHCの堀川隆延がHCとして全体をコーディネート。NTTコムFWコーチの大久保直弥、パナソニックHCの相馬朋和がアシスタントコーチを務め、スキルコーチにはサンウルブズで同職の田邊淳が入る。堀川HCは言う。

「まずは日本代表とサンウルブズと連携を取り、その戦術、戦略に沿う。それプラス、個性を活かす。ただコピーして同じことをするのではなく、自分たちが新しい価値を提供する。それくらいのことを、期待されています」

 NDSのグループが示したい「価値」。それは細部へのこだわりだ。NDSの首脳陣はサンウルブズへ事前キャンプから帯同してチーム作りの手法や採用する戦術を完全掌握。そのうえで、「オリジナリティーをプラス」してゆく。

 今回リストアップされた37名のうち海外出身選手は6名のみ。堀川HCは、集まった顔ぶれに即して低さ、鋭さにこだわりそうだ。

「例えばディフェンスであれば、最初のラインスピードをもっとこだわろう。サンウルブズに南アフリカ人選手がいるのに対し、僕らはほぼ日本人。だったら、ブレイクダウン(接点)へのコンテストはもっと『こう』しようね。…といったこだわりですね。日本人らしさを前面に出しながら戦っていくのが、NDSの使命です」

 本来NDSで帯同させる予定もサンウルブズの故障者の穴埋めなどに駆り出された選手の代役は、堀川HCらが中心になって決めたという。ワールドカップ日本大会を翌年に控えるなか、NDSの構想についてこうも話す。

「NDSは2019年がターゲットですが、その先のこともあります。これから追加で呼ぶ選手も、できるだけ若い選手を…という話をしています。去年も大学生からNDSに入ったメンバーがいる。4月からはそういった選手も視野に入ってくると思います」

 NDSはこの先、12〜15日の「2017年度 第8回合宿」(都内)が予定され、4月1〜7日の「2018年度 第1回合宿」(沖縄)を前に改めて選手選考がなされる。海外留学中のトップリーグの選手、ジュニア・ジャパンとしてパシフィック・チャレンジ(フィジー・スバ)に参戦する大学生選手などはこのタイミングでセレクションの対象となりそうだ。

 さらに4月10〜28日にはニュージーランド遠征を控えており、当地ではスーパーラグビー加盟クラブの予備軍と計3試合、おこないそうだ。28名程度になりそうな遠征メンバーには、同時期にニュージーランド入りしているサンウルブズの控え選手も入る可能性がある。

 なお薫田真広強化委員長の説明によれば、現時点でジュニア・ジャパンおよびNDSに加わっていない有力な大学生選手(2018年4月からの新社会人を含む)のうち数名は今回辞退したという。

 サンウルブズ勢は概ね、3月下旬に本隊へ合流できるよう鍛錬を重ねている。試合出場時間の調整のため南アフリカへは行かないこととなった稲垣は、「ただ(日本に)残って休むわけではない。足りない部分、やることはいっぱいあります」とNDS期間中のレベルアップを期す。一方で国内組の1人である垣永は「2019年に向けて、ここがラストチャンスだと思っている。なんとか這い上がれたら」と闘志を燃やす。それぞれがそれぞれの目標設定を胸に、タフなセッションに取り組む。(文:向 風見也)