28日(日本時間29日)、MLBテキサス・レンジャーズのダルビッシュ有が、658日ぶりメジャーリーグのマウンドに帰ってきた。本拠地グローブライフ・パーク・イン・アーリントンでのパイレーツ戦に先発し、5回で81球を投げ、3安打1失点、7奪三振…

28日(日本時間29日)、MLBテキサス・レンジャーズのダルビッシュ有が、658日ぶりメジャーリーグのマウンドに帰ってきた。本拠地グローブライフ・パーク・イン・アーリントンでのパイレーツ戦に先発し、5回で81球を投げ、3安打1失点、7奪三振1四球の投球を披露。復帰初戦で勝利投手となり、昨年3月に受けた右ひじ手術からの完全復活を印象付けた。

 ダルビッシュはこの試合で、球速MAX98マイル(約158キロ)をマーク。次戦で球速はさらにアップするのか。160キロ超えも可能なのか。期待は膨らむ。ところが、TBS系『S☆1』に出演する野村克也元監督は、「これ以上は出ないでしょう」と投手の球速に関する持論を展開した。「ピッチャーが何キロまで投げられるか。それはオギャーと生まれたときに決まっている。プロの世界に60年いるけれど、(最速値が)速くなったというピッチャーが誰もいない。彼の場合も(伸びしろがあるような)バネのある体型ではなく、もともとの親からもらった強靭な肩で投げているタイプなので、これ以上は速くならないと思う。それは肉体改造しても変わらないでしょう」

 ダルビッシュは、普段から過酷なトレーニングをこなすことでも知られている。ひじのリハビリ中も積極的にトレーニングに励み、一回り大きな筋肉の鎧をまとい復帰した。だが、ノムさんは「ピッチャーが筋肉をつける必要はない」と肉体改造にダメ出しをする。「ピッチャーは足腰を鍛えていれば十分です。上体を鍛えて大きくすると、上体に頼って投げようとしてしまう。(実際にダルビッシュも)まだまだピッチングフォームのバランスが悪い。高校を卒業したころの時期……18歳~22歳くらいに鍛えるのは意味があるでしょう。でも、それ以降は足腰さえいいコンディションを作っておけばいい。それはバッターに関しても同じです」
 現在、日本球界でも、若手投手たちを中心に、筋力トレーニングを重視する考え方が広がっている。ノムさんの提言は、彼らにどう響くだろうか。



※野村元監督のコメントの詳細は、今夜0:00から放映の『S☆1』(TBS系)「ノムさんのぼやき解説」コーナーをご覧ください。