フランス・パリで開催されている全仏オープン(5月22日〜6月5日)の7日目。 第1シードのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は2時間半にもおよぶ激しい雷雨での中断にもかかわらず、第26シードのクリスティーナ・ムラデノビッチ(…

 フランス・パリで開催されている全仏オープン(5月22日〜6月5日)の7日目。

 第1シードのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は2時間半にもおよぶ激しい雷雨での中断にもかかわらず、第26シードのクリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)に6-4 7-6(10)で勝利した。だが、彼女がこの試合で実力を出しきれたとは言えない。中断の間にパトリック・ムラトグルー・コーチと10分も話し込んだようだ。  「10分は長過ぎた。彼女に話し過ぎたと謝ったよ。長いアドバイスは決してよいアドバイスではないからね。短く、インパクトのある言葉が必要なんだ。彼女が調子のいいときの考え方を思い出させようとしただけ。つまり、セレナらしくプレーしているときだね」  その助言は効果があったのかと問われたムラトグルーは、「スコアを見てごらんよ。それ以上に中断後の内容がよかったと思う」と満足げだった。  「中断まで自分のテニスができていなかった。守備的にプレーするなんて、私の本来の姿じゃない。セレナらしくあることだけを考えたわ」  セレナは12本のブレークポイントをたった一度しか生かせず、最後のタイブレークでは5度目のマッチポイントでようやく勝利を収めた。「もっと早く試合を終わらせるチャンスがあったけど、できなかった」と悔やんでいる。  セレナが次に対戦するのは、第14シードのアナ・イバノビッチ(セルビア)を倒した第18シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)。2010年の全仏オープンジュニアを制したスビトリーナに対して、セレナは過去に3度対戦して全勝している。  ただ、今回注目されるのは、スビトリーナが元女王のジュスティーヌ・エナン(ベルギー)をコーチに迎えた点だ。エナンは現役時代に14回セレナと対戦して6回勝利を収めている。

 思い出されるのは、2003年の全仏オープン準決勝でのふたりの対戦。判定でもめるなどする中でエナンが勝ち、セレナのグランドスラムの連勝を「33」でストップした試合だ。セレナはブーイングを浴びながらコートをあとにし、のちにその場面を振り返ったときに涙を流したのだった。  もし、セレナが今大会で優勝すれば、エナンが全仏3連覇を達成した2005〜07年以来の連覇になる。(C)AP