スーパーラグビーは第3節に入り、日本チームのサンウルブズは3月3日に東京・秩父宮ラグビー場で同じオーストラリア・カンファレンスのメルボルン・レベルズと対戦。前半を同点で折り返したものの、17-37で敗れ、開幕から2連敗(総勝点1)となった…

 スーパーラグビーは第3節に入り、日本チームのサンウルブズは3月3日に東京・秩父宮ラグビー場で同じオーストラリア・カンファレンスのメルボルン・レベルズと対戦。前半を同点で折り返したものの、17-37で敗れ、開幕から2連敗(総勝点1)となった。日本代表のNO8アマナキ・レレィ・マフィが所属するレベルズは2連勝(総勝点10)。

 サンウルブズは序盤からラインアウトが安定せず、負傷者が相次ぎ、前に出るディフェンスはレベルズに研究されていて後半に連続トライを許し、今季初勝利を手にすることはできなかった。

 先制したのはレベルズ。前半9分、オーストラリア代表でもあるWTBセファ・ナイヴァルが左サイドを突破し、つないで、WTBジャック・マドックスが駆け抜けた。11分にはサンウルブズのラインアウト失敗からたたみかけ、日本の仲間たちと初対戦となったマフィがゴールに持ち込んだ。

 サンウルブズは8分にCTBラファエレ ティモシーが脳しんとうの疑いで退き、13分にはSOヘイデン・パーカーもベンチへ。19分にはWTB山田章仁も負傷して担架で運ばれ、FWながらリオ五輪のセブンズ日本代表で走力もある徳永祥尭が右WTBに入った。

「シーズン序盤から怪我人が多く、また負傷者が出てしまった。スーパーラグビーでは、それも仕方のないところもあるが、これだけキープレーヤーに怪我人が出るとは。今日も10分で怪我人が出てしまった。その中で、(本来違うポジションで出た)徳永のアウトサイドでの強さが効いたところもあったが、苦しい状況だった」(サンウルブズ:ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ)

 序盤に続き、23分にも敵陣深くまで攻め込みながらラインアウトでプレッシャーをかけられ好機を逃したサンウルブズだが、25分にCTB中村亮土がPGを決めて初得点。
 35分には、ハーフウェイ付近でボールを奪い返されピンチになりかけたが、今季初出場で途中からCTBに移動していたウィリアム・トゥポウがインターセプトして独走し、10-10の同点に追いついて前半を終えた。

 しかし後半早々、サンウルブズに反則があり、レベルズがPGを決めて流れを引き寄せる。
 レベルズはさらに44分(後半4分)、敵陣中盤のスクラムから“8-9”でSHウィル・ゲニアがディフェンダーをひきつけ、左へ展開、人数が余ってできたスペースをWTBナイヴァルが難なく走り抜け、追加点を挙げた。レベルズは47分にもスクラムからBKのサインプレーが決まってトライを取り、リードを拡大。51分には、スーパーラグビーから除外となったフォースから多数移籍し新戦力となったひとり、オーストラリア代表のFBデイン・ハイレットペティが抜けてチャンスメイクし、WTBマドックスが連続トライでハットトリックとなった。

「前半は、自分たちのゲームプランから逸脱していた。本来は、もっとフィジカルに、もっとダイレクトなプレーをしたかった。後半はそれを徹底した。サンウルブズの前に出るディフェンスにどう対応するか。それは私たちにとって、今日の試合に関する大事な要素だった。最初はその対策ができていたが、前半終盤がよくなかったから、後半は戻した」(レベルズ:デイヴィッド・ヴェッセルズ ヘッドコーチ)

 サンウルブズは、相手にイエローカードが出て数的有利となった終盤、ゴール前中央のスクラムからSH田中史朗がギャップをつくり、そこをNO8エドワード・カークが抜けて点差を詰めた。
 しかし試合終了間際、ゴール前まで攻め込んだレベルズに対して、パスカットに行ったカークのプレーは反則と見なされ、レフリーはペナルティトライを宣告し、サンウルブズにとっては後味の悪い締めくくりとなった。

 レベルズのヴェッセルズ ヘッドコーチは、「我々は勝つこと、ボーナスポイントを獲得することが大事だった。これで今季2勝目。(シーズン1勝だった)昨年と比べたら素晴らしいこと。さらに積み上げていきたい。勝つ習慣をつけられたらいい」と語り、オーストラリア・カンファレンスで唯一の連勝となったチームに手ごたえを感じている様子だった。

 一方、サンウルブズのジョセフ ヘッドコーチは、セットプレーのミスを敗因のひとつに挙げた。「こだわって準備してきたのに、それでも出てしまった。最初のラインアウトでも、チャンスをつぶしてしまった。レベルズのラインアウトは高く、スーパーラグビーでは相手の圧力でミスも起こりがちだが、もっと対処できるようにならないといけない。リーチ(マイケル/FL)はラインアウトをコントロールする責任があったが、結果をみればうまくいっていなかった」。
 そして途中出場でBKをコントロールする責任があったSO立川理道については、「急な出場、違うポジションということで難しかったと思う。アタックではいい働きも見られたが、防御面のコントロールでは、まだ改善できる」と話し、次戦以降に期待する。
 スーパーラグビー出場通算102試合目だった経験豊富なLOサム・ワイクスも頭部のダメージで後半早々に退き負傷者続出となったことについては、「スーパーラグビーのフィジカルの強さをあらためて感じた。準備時間不足も影響していると思う。これが続くと厳しい状況になる」と危機感を抱いている。

 先発したキャプテンのSH流大は、「簡単にトライを取られてしまった。BKに怪我人が出て、コミュニケーションが取れないところがあった。1週間準備してきたことと違ったことをやってしまった」と反省する。相手のキーマンであるSHゲニアへの対応策も考えていたが、それもメンバーが代わってうまくいかなかったと語り、自分たちのプレー精度も課題として挙げた。

 サンウルブズは次週から南アフリカに遠征し、アウェイで2試合をおこなう。