危険な男が今回は敵に回る。
 アマナキ・レレィ・マフィが、レベルズのNO8としてサンウルブズと対峙する。3月3日、秩父宮ラグビー場。フルタイムの笛が吹かれたとき、笑顔となるのはどちらのジャージーか。

 試合前日、練習を終えたマフィは報道陣にコンディションを問われ、「ぼちぼちやね」と笑顔で答えた。
 開幕戦でレッズを45-19と圧倒したチームについて「今年は、去年より調子がいい」と話した。
「チームの目標は、オーストラリア(カンファレンス)の中で1位になること。今シーズンは、(おもにリーグ脱退となったウェスタン・フォースから)いい選手たちが加わりました。(SHの)ウィル・ゲニアは誰もが知っている人です。彼が周囲の選手たちのモチベーションを上げてくれています」
 手応えを感じている。

 レベルズでスーパーラグビーへのデビューを果たした昨季。全15試合に出場した。チームでもっとも輝いた。
 ボールキャリー数196回、ディフェンダーを突破した35回、145のタックル数はすべてチームでいちばん。990㍍のランメーターはリーグ10位も、FWでは2位選手を311㍍上回り、18チーム中トップだった。オーストラリアチームの中の最優秀選手に選ばれたのも当然だった。

 今季も初戦から80分プレーした。サンウルブズには、いつもは日本代表の仲間としてともに戦う選手たちが大勢いるが、「いつも通りのゲーム。準備して、勝つように頑張ります」と冷静に話した。
「ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチがサンウルブズも指導するようになって、チームはベターになった。進化している。ワールドカップへ向けて、いい準備ができていると思います」
 スピードのある狼たちに対し、フィジカルで勝負したいと言った。

 直接ぶつかり合うことも少なくないポジションの選手は、やはり気になる。
「リーチ(FL)は先週は出ていませんが、今週は(自分たちと)戦う。同じチーム(NTTコム)のヴィリー・ヴリッツもいい選手ね」
 スーパーラグビーの舞台で、初めて仲間たちと戦えることは喜びだ。
「負けないように、自分をアピールしたい」

 2015年のワールドカップを目指していた日本代表スコッドにマフィを加えるとき、当時のエディー・ジョーンズ ヘッドコーチはその才能を「神様からの贈り物」と表現した。レベルズも同様の感覚だろう。
 トンガ生まれのNO8は、本当に頼りになる。
 来日中の仲間を連れて渋谷のスクランブル交差点を見下ろすスタバに行ったり、すしざんまいを訪れたり。
 普段はシャイな28歳は、昨季1勝しかできなかったチームをもっと引き上げたい。サンウルブズのファンの前でも、強烈な輝きを放つだろう。