東京・辰巳ラグビー場では迫るレベルズ戦へ向けた日本チームのトレーニングが続いている。3月3日13時15分、スーパーラグビー第2節・サンウルブズ(日本)vsレベルズ(オーストラリア)が秩父宮ラグビー場で行われる。

 3月24日、サンウルブズの初戦・ブランビーズ戦は25-32。前半をリードで折り返し、逆転負けを喫した。後半の攻防は、攻守のミスで勝ち切れなかった。

 昨年から狼のジャージーをまとうSH田中史朗は、2013年から4季にわたってハイランダーズに在籍、チーム内でもスーパーラグビーの経験豊富な33歳。勝機を逃した試合(自身は後半21分から出場)を受けて次戦に向かう練習の姿からは、課題と手応えを前向きにとらえる思考がうかがえた。

 1月に集合し、行なった2ステージの事前合宿の成果は、初戦のグラウンドでも実感できた。「相手との間にそんなに差を感じることはなかった。前半(19-15)は、こっちがうまいアタックでトライも取れた。取られたトライも、個人のミスなどで簡単にポンと取られてしまった感じ。力負けした印象はありません」

 今後の修正については「1人ひとりが大きく何かを変える必要はない」と言う。

「チームとして、全体のイメージは理解できている。あとは自分の仕事を、周りとコミュニケーションをとってやり切ること。練習でも試合でも、グラウンドですべきことはしっかりやれている。グラウンドの外で済ませるべき『勉強』の部分で、少し足りないところがある」

 スーパーラグビーは半年間にわたる長いツアー。経験豊富な田中は着実な積み上げを強調するが、ホームで迎えた開幕シリーズの重要性も感じている。

「初戦では、負けはしましたけど、自信もつかめた。去年に比べて成長しているし、(所属する)外国人のレベルも上がっている。日本選手もできる選手が集まっているので、ジェイミー(ジョセフ/ヘッドコーチ)は、もっと細かいことをやらせようとしている。僕らももっとそれを汲んでいけば、もっといいチーム、もっとプロフェッショナルなチームになっていけると思う」

 田中史朗が発する「プロフェッショナル」の言葉には、いつも、ラグビーを観る人、支える人の立場を含めた大きなラグビーの輪への意識が感じられる。選手=「する人」として自分の本分をまっとうする覚悟。

「ホームで戦えることは、周囲の人にとっていいことだと思うし、僕たちにとっても、体に負担なく戦える期間。ここでしっかり、多く勝利を挙げておきたい。それができる試合運びをしていきたい」

 サンウルブズの準備期間は、とても短い。強豪チームが2か月以上をかけるのに対し、半分もない。

「それでも、今年は1か月はできたので、今までのスーパーラグビーの序盤よりは、体は動きやすい。グラウンドの中でやるべきことは理解できていたが、僕個人の状態としてはもっともっとスピードが必要。もう少し走り込みをやっていければ」

 日本代表、スーパーラグビー、トップリーグ。企業スポーツをベースとして、3つのジャージーをまとい厳しい日程をこなす国内トップ選手たち。プロフェッショナルな取り組みの成果を、秩父宮で見せたい。(文:成見宏樹)


1985年1月3日生まれ、京都府出身。伏見工→京産大→パナソニック。身長166㌢、72㌔