宇佐美貴史(デュッセルドルフ)がドイツ・ブンデスリーガ2部で調子を上げている。2月23日のヤーン・レーゲンスブルク…

 宇佐美貴史(デュッセルドルフ)がドイツ・ブンデスリーガ2部で調子を上げている。2月23日のヤーン・レーゲンスブルク戦では、前節グロイター・フュルト戦に続いて2試合連続ゴールを決めた。

 レーゲンスブルク戦は4-2-3-1の右MFで先発、立ち上がりからロングボールに抜け出す動きを見せるなど、チームのスタイルに順応しようとしていた。試合は3点を先行したにもかかわらず4失点するという荒っぽい展開だったが、宇佐美自身はフル出場を果たしている。

 13分には右サイドでルーズボールに反応し、ポスト前にぴたりとクロスを入れて2点目を演出。そして15分にはロングボールに反応して相手DFの裏に抜け出し、GKの頭上を越す技ありシュートでこの日の3点目を決めた。



レーゲンスブルク戦にフル出場、1ゴール1アシストの活躍を見せた宇佐美貴史

 宇佐美のフル出場は、実に2017年2月17日、アウクスブルク時代のレバークーゼン戦以来となる。そして1ゴール1アシストという複数得点に絡む活躍は、さらにさかのぼって2012~13シーズンのホッフェンハイム時代に2度あるだけだ。2部の試合とはいえ、ドイツで宇佐美が1試合で出した結果という意味では、最高に近いものを見せた一戦となった。

 試合後の宇佐美はチームが負けているだけに笑顔はなかった。これまでも厳しい表情を見せることが少なからずあった宇佐美だったが、そんなときは同時に、自分の不遇やチームへの割り切れない思いが漏れてきたものだ。だが、この日は純粋に敗戦を悔しがっているように見えた。

 宇佐美は冷静に試合をこう振り返る。

「(自分たちが3点を先行して)相手もアタフタしていましたし、そんなにやられる気はしなかったです。(追加点を)獲れていれば、また試合は変わったと思いますが、1失点をしてしまってからだいぶ(攻撃を)受けるテンションになってしまった。守り切ろう、このまま3-1で終わろうというようなギアに入ってしまった。

 うちは1-0で勝っているときも、2点目、3点目を奪って勝とうというようなチームではない。1点入ったら、その1-0を堅く守り切るというチーム。それはいい部分でもあるのですが、今日はまったくもって逆方向に出てしまった。失点からリズムをどんどん崩してしまったと思います」

 自身のプレーについてはこう整理した。

「もう少しボールを回しながら、というのが自分の理想ですけど、J2もそうでしたが、ドイツの2部リーグではこういう内容の試合というのはあるものだと思います。相手がガツガツくる中で、すぐにボールを蹴って、CB相手にすごくプレッッシャーをかける。そこで拾えれば、そこからまたチャンスが広がるんですけど、後半に関しては拾えてなかったですし、なかなかない経験をしたなと思います」

 2部のサッカーの中でも戦えた。それを「貴重な経験をした」と表現した。1年ぶりのフル出場とはいえ、チームでの立ち位置を常に考えているところは宇佐美らしい。

「(監督に起用される優先順位を)上げていかないといけない。チームが首位に立っていたときでさえ、上位とやるときはあまり攻撃的にはいかないチームなので、守備的に戦うことを監督がチョイスをするときでも使われるようにならないと。でも、今日は攻撃的にいくという話はしていて、メンバーを見ても完全にそういう内容、布陣だったので出られました。この前のフュルト戦での得点も評価してもらえてのことだと思います」

 今シーズン、デュッセルドルフに加入した当初は、たとえ得点を決めた試合でも、「結果が出ただけで、フィジカルコンディションはまだまだ」と言い続けていた。それがようやく「フル出場をしたい」と口にできるようになった。小さな一歩に見えるかもしれないが、宇佐美にとっては大きな前進だろう。

「やってきたことが積み重なって、と信じたいです。アウクスブルクから移籍してきたときは、ほとんどリハビリをするような状態(ほぼ1年間試合から遠ざかった状態のため)からスタートしましたし、監督からも「半年はかかるだろう」と言われていた。後半戦に入っても、ラスト6分だけとか、ラスト30分とか、そういう試合の出方だったので、90分出られたのはひとつポジティブな要素だと思います」

 完全復活というにはまだ早いかもしれない。だが、その兆しは間違いなく見えた試合だった。