決勝トーナメントに進出した日本が男女とも準々決勝を突破した。23日に行われた「チームワールドカップ2018」<2月22~25日/イギリス・ロンドン>の2日目、強豪国のシンガポールと対戦した日本の女子チームは伊藤美誠(スターツSC)/早田ひ…

 決勝トーナメントに進出した日本が男女とも準々決勝を突破した。23日に行われた「チームワールドカップ2018」<2月22~25日/イギリス・ロンドン>の2日目、強豪国のシンガポールと対戦した日本の女子チームは伊藤美誠(スターツSC)/早田ひな(日本生命)ペアが1本目のダブルスをストレート勝ち。2本目のシングルスは石川佳純(全農)が2012年ロンドン五輪銅メダル他、数々のメダルを持つフォン・ティエンウェイとのエース対決をストレートで制し、チームに勢いをつけた。

早田ひな Photo:Itaru Chiba


 しかし、3本目に起用された早田がベテランのユー・モンユーを相手に1-3で敗退。だが、4本目に再び登場した石川が3ゲームで計8ポイントしか与えない電光石火のストレート勝ちでチームを勝利に導いた。



 これが世界大会の団体戦初シングルスとなった早田は、いい流れで競り合いをしていた第1ゲーム、7-6でリードした場面で得意のラリー戦になるも相手の打球がエッジボールになってデュースに。このアンラッキーボールで「少しリズムが狂った」と言い、結局ゲームを落としてしまう。続く第2ゲームも相手にミドルを突かれ態勢を崩すシーズンが多く両ハンドにミスが連発。第3ゲームはかろうじて取ったものの、第4ゲームでもサーブミス2本を含む失点が続いてゲームカウント1-3で敗れた。

 早田とユー・モンユーは直近だと2017年11月のワールドツアー・スウェーデンオープンの1回戦で対戦しており、その時も2-4でユー・モンユーに軍配が挙がっていた。それを踏まえて試合後の早田は、「前回の対戦ではラリーが続いて最後に自分に凡ミスが出るという展開だった。相手は強打に強く倍のスピードで返してくるので、今日はどちらかというと緩急をつけて、特にバックミドルを狙っていくようにした」と戦術を振り返るが、逆に相手にミドルを突かれ、その処理がうまく行かず、「後半は両サイドに打ち分けようとしたが感覚がつかめずミスになった」と話した。



 早田の試合ぶりを見ていた石田大輔コーチによれば、「早田にはここ1本を乗り切るユー・モンユー選手のような勝負強さみたいなものがまだ足りない。どのポイントも取りたいと焦る気持ちがサーブのトスの高さを調整できなかったり、ボールの回転が甘くなって相手に読まれたりしてしまう」とのこと。

 今回は団体戦ということを考えれば、自分の1本を落とせないというプレーッシャーもあるだろうが、逆に落とした時はチームメートがカバーしてくれるという利点もある。そんな団体戦ならでの流れを早く掴み思い切ったプレーができれば、ダブルス巧者の早田にシングルスの勝利も見えてくるだろう。

(文=高樹ミナ)