ヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメント1回戦でレアル・ソシエダ(スペイン)と対戦したザルツブルク(オーストリア)…

 ヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメント1回戦でレアル・ソシエダ(スペイン)と対戦したザルツブルク(オーストリア)はホームでの第2戦を2-1で制し、2戦合計4-3で4年ぶりのベスト16進出を決めた。

 第1戦では途中出場し、終了間際に貴重な同点ゴールを決めた南野拓実だったが、第2戦は出場機会が訪れなかった。

「次のラウンドに進めたことはチームとして大事なことだと思うし、この大会が今の自分たちにとって一番重要な大会だと思うので、よかったと思います。出られなかったのは残念ですけど、リーグ戦もあるので切り替えて頑張っていこうと思います」

 試合後の南野はそう振り返った。



レアル・ソシエダを破りELベスト16に進出したザルツブルクの南野拓実

 アウェーでの第1戦を2-2で終え、有利な立場で迎えた第2戦。ザルツブルクは1-1の引き分けでも勝ち抜けが決まる状況とあって、失点を避ける慎重な戦いが予想されたが、先制点を奪ったのはザルツブルクだった。

「前半からアグレッシブにいこうという話はしていました。だから立ち上がりに点が入ったのは大きくて、自分たちのやりたいことができたんじゃないかなと思います」(南野)

 その後、3バックと4バックを流動的に使い分けるレアル・ソシエダに同点ゴールを許すが、後半に2点目を奪って勝ち切った。

 南野にも出場の可能性がなかったわけではない。66分、空中戦で相手と競り合ったFWムナス・ダブールが腰を痛めてスタッフから治療を受けているたとき、ピッチ脇でアップをしていた南野がベンチに呼ばれた。

 上着を脱ぎ、コーチから指示を受けて出場の準備を整えた南野だったが、ダブールがピッチに戻ってプレーを続けたため、マルコ・ローゼ監督は交代を見送った。その後、ザルツブルクは勝ち越し点を奪ったが、アウェーゴールの関係で2点目を許してはならないという状況は変わらない。相手に退場者が出たが、結局、交代枠を1枚残しながらも南野が出場することはなかった。

 南野はローゼ監督のファーストチョイスではないのが現状だ。2月のリーグ再開後、リーグ戦では出場機会を得ているものの、チームが重視するELリーグでは2試合とも先発から外れた。

 代わりに先発に名を連ねたのが20歳のクサファー・シュラーガーだ。「パフォーマンスは安定していると思うし、守備もしっかりできる」と、南野も評価する。

 ゴールに直結するような動きは多くないが、中盤でしっかりとボールを収めて運び、球際で激しく戦う。実際、U-21オーストリア代表に名を連ねるシュラーガーの公式戦出場時間は南野とあまり変わらないが、ゴール、アシストの数では南野を大きく下回っている。それでもシュラーガーが先発に選ばれていることからも、監督が何を求めているかは明らかだ。

 試合終了後、チームメイトと喜びを分かち合った南野だが、もちろん手放しでは喜んでいなかった。「試合に出られないというのはメチャメチャ悔しいです。自分がピッチに立つ資格はあると思うし、それは証明し続けないといけない」と真情を吐露した。

 これまでにも結果を残しながらポジションを得られない苦しみを味わってきた南野は、今季もまた同じ壁に直面している。

「攻撃で違いを見せ続ける。こういう大事な試合で使ってもらえたら何かできる自信はあります。使ってもらえなかったら意味がないんですけど、やり続けていくしかないと思います」

 状況をひっくり返していくためにやることは変わらない。そのチャンスもまだ残されている。EL決勝トーナメント2回戦進出で試合が多くなる分、アピールできるチャンスも多くなる。次戦の相手は香川真司の所属するドルトムントだ。

「いい相手とできるのはいいことですし、近年のザルツブルクは次のラウンドまでしか行ったことがないので、そこで自分たちが勝てればもっと嬉しいと思う。自分も選手としていい経験になると思うので、そこに関わっていけるようにしたいと思います」

 南野はドルトムント戦までに先発の座を奪い取ることができるだろうか。