スーパーラグビー挑戦3年目でトップ5入りを狙うサンウルブズの2018シーズンは、惜しい黒星発進となった。
 2月24日、東京・秩父宮ラグビー場でブランビーズとの今季初戦に臨み、前半リードで折り返したが、25-32で敗れた。それでも、優勝2回、準優勝4回を誇るオーストラリアの名門チーム相手に健闘し、7点差以内の敗戦で与えられるボーナスポイントを獲得している。

 日本代表と兼任で今年から指揮を執るジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは、「いいところも、悪いところもあった。こういう接戦にどう対応するか、戦っていくか、学んできた。その点では素晴らしい戦いをした。しかし、満足はできない。選手たちもロッカールームで悔しがっていた。このレベルで戦っていける自信はついたと思う」と試合後に語った。

 オーストラリア勢からの初勝利とはならなかったが、2年前の初対戦時に5-66と苦汁をなめさせられた相手と互角に戦った。

 PGで先制されたサンウルブズだが、前半8分、スクラムでペナルティを得ると、ラインアウトを選択しモールドライブ。バックスも加わって押し込み、この試合がデビューとなったWTBホセア・サウマキがグラウンディングした。同じくサンウルブズ初参加のCTB中村亮土がゴールキックで加点し、7-3とした。

 19分にはゴール前右のスクラムから攻め、WTBレメキ ロマノ ラヴァ、NO8ヴィリー・ブリッツが連続で力強く縦を突いたあとボールを動かし、CTBラファエレ ティモシーが抜けてゴールに持ち込んだ。

 ハイランダーズからサンウルブズに移籍してきたSOヘイデン・パーカーが懸命のタックルで相手のトライを阻止したシーンもあり、秩父宮ラグビー場は沸いた。

 24分にブランビーズの連続攻撃をFLラクラン・マキャフェリーがフィニッシュし、6点差となったが、サンウルブズは28分、CTBラファエレがタックルを外して敵陣深くへ切り込み、左外でボールをもらったWTBサウマキがゴールに持ち込み、追加点を挙げた。

 その後、ブランビーズに2本目のトライを許したが、19-15とリードして前半を終える。

 だが、2013年から5年連続でプレーオフ進出と安定した強さがあるブランビーズは、後半早々にフェイズを重ねてゴールに近づき、サンウルブズはブレイクダンでターンオーバーしたものの、SH流大がバックスに送ろうとしたボールがゴールポストに当たって跳ね返り、ブランビーズのCTBテヴィタ・クリンドラニが拾い上げてインゴールに押さえ、逆転した。

 さらにブランビーズは53分(後半13分)、ラインアウトからモールで押し込み追加点。

 サンウルブズは65分にSOパーカーがPGを決めて5点差としたが、ブランビーズはリスタート後まもなく継続してゴール前まで攻め上がり、サンウルブズの懸命のディフェンスは実らず、ボールはつながり、FBトム・バンクスがトライを決めて10点差となった。

 サンウルブズは70分、ラインアウトからモールで押し込みゴールラインを越えたがグラウンディングできず。
 そして試合終了間際、14フェイズ重ねた攻撃でもトライは奪えなかったが、PGで7点差とし、敗戦のなかでも、約5か月にわたるタフなリーグで貴重となるボーナスポイントを獲得した。

 ジョセフ ヘッドコーチは敗因について、「自陣からうまく攻められなかった。そのエリアから脱出できなかった。ブランビーズの圧力に負けたところもあった。脱出がうまくいかなかったのは、5週間ぶりの試合だったこともあった。また、それをリードする人が頭を打って自信を失っていたところもあった。これから、もっと密にやっていく」とコメント。

 キャプテンの流は、「勝利を目指していたので悔しかった。前半はいい戦いができたが、後半がうまくいかなかった。後半は自分のミスで点を取られ、それが敗戦に直結してしまった。ただ、戦いは続くので、こういう経験をできたことは、自分のためになる。(チームとして)ボールを持てば点を取れた。フェイズを重ねたら攻めることができた。いいアタックマインドをもって戦えていた」と試合を振り返った。

 一方、勝ったブランビーズのダン・マッケラー新ヘッドコーチは、「安堵している。チャレンジングな試合だった。タフな試合だったが、選手たちはハードに働いた。選手を誇りに思う」とコメント。前半の20分から慣れてきたと言い、「後半は完璧だった。サンウルブズは2回フェイズを重ねたあとにFWに戻す。それがわかったので対応した。後半はジャッカルできる機会が増えた。トム・キューザックとラクラン・マキャフェリーの両FLが、その局面でよく働いた」と選手の奮闘を称えた。サンウルブズについては、「全員よかったが、SH流はキックも全体のコントロールもよかった。WTBも。ブリッツのタックルも素晴らしかった」と語った。

 クリスチャン・リアリイファノ主将も、サンウルブズで印象に残った選手としてSH流、SOパーカー、そしてWTBのサウマキとレメキを挙げ、「非常に厳しい試合だった。プレシーズンマッチなしで、これだけの試合をした。勝ってほっとしている」とコメントした。

 サンウルブズは次週(3月3日)、秩父宮ラグビー場で同じオーストラリア・カンファレンスのレベルズと対戦する。
 ジョセフ ヘッドコーチは負傷者を心配しながらも、「次のゲームへ向けて、変わったことはやりません。自分たちの戦い方を確立しているので、それをやっていく。コーチ陣が勝つための戦略を考え、落とし込む」と話し、流キャプテンは「もっとディシプリン(規律)を持って戦わないと。80分一貫性を持って戦うのも必要」と語り、次のレベルズ戦を見据えた。