マーリンズは主力大量放出で波紋、トレードは「起こるべくして起きたこと」 マーリンズからブルワーズに移籍したクリスチャン・…

マーリンズは主力大量放出で波紋、トレードは「起こるべくして起きたこと」

 マーリンズからブルワーズに移籍したクリスチャン・イエリッチ外野手が、新天地でスタートを切った。デレク・ジーター氏が新オーナーに就任したマーリンズは、オフに主力を大量放出。ディー・ゴードン内野手、ジャンカルロ・スタントン外野手、マルセル・オズナ外野手と固い絆で結ばれたメンバーが次々と放出されたことを受け、イエリッチも移籍を志願した。

 若手中心でチーム再建を進めることになったマーリンズ。イエリッチは、球団の分岐点となった出来事について、スーパーエースの急逝を挙げ「起きてしまったことは誰のせいでもない」と話したという。ESPNが報じている。

 スタントン、オズナ、イエリッチの“メジャー最強外野トリオ”をはじめ、才能あふれる若手が多く、躍進も期待されていたマーリンズだが、2003年に世界一に輝いてからはポストシーズンにも進出することができず。ブレークした野手は、新オーナー体制のもとで次々と放出され、再建期へと入ってしまった。記事では、イエリッチが1度もプレーオフ進出を果たせなかったこと、そして勝率5割に達することもできなかったことに失望していたと紹介。「嫌悪感ではなく、一つの大きな後悔と共にマーリンズを去った」と伝えた。

 新オーナーのジーター氏のもとで進められているチーム再建には、批判の声も上がっている。イエリッチは望んでトレードされたが、取材に対して、マーリンズやジーター氏に敵意があるわけではないと明言したという。本人の「(トレードは)起こるべくして起きたことだと思う。一番大事なのは勝つことで、自分たちはそれができなかったんだ」というコメントも紹介している。

 キャンプイン後は右腕のダン・ストレイリーがスタントンとイエリッチの移籍について「彼らがいなくなって嬉しいよ。ここに居たくないなら、彼らにとって良いことだと思う」と発言したことも話題となった。イエリッチは記事の中で、このことについても言及している。

「週に何回か話す本当に素晴らしい友人がまだチーム(マーリンズ)にいるんだ。ボーアやリアルミュート、プラドやロハスとかね。いまだに近い存在なんだ。ダンは違うふうに思っているみたいだけどね。だけど、それが現実というものだから」

「勝つチャンスはホセと共にあった」

 また、記事では「彼は2016年9月に起きたホセ・フェルナンデスのボートの事故を、フランチャイズの不運な分岐点として引き合いに出している」とも言及。イエリッチは、マイアミを悲しみに包んだエース右腕の死を振り返っている。

「トレードされた選手やまだチーム(マーリンズ)に残っている選手たちと話してきたけど、ホセの身に起きてしまった悲劇以来、すべてが変わってしまったというのがクラブハウスでの総意なんだ。勝つチャンスはホセと共にあったんだってことを、みんなわかっていたと思うよ。先発ナンバーワンの、正真正銘のエースがいるんだから、可能性はあったと思うんだ。起きてしまったことは、誰のせいでもないんだよ」

 誰の責任とも言えない不幸な出来事。ただ、才能あふれる野手と若きスーパーエースを軸に躍進を目指していたマーリンズにとっては、あまりにも大きな事故だった。

「再建を迎えて、本当にもう少しのとこだったんだ。ピースは全て揃っていたんだよ。もう少し違う方向に進んでいったら、どういう結果になっていたか分からないよ。そう感じている選手もたくさんいると思うよ。本当にあと少しのところまで来ていて、素晴らしい結果を生み出すチャンスがあったと思うんだ。ただ、結果としてそうならなかった。そして、もしビジネスにおいて(最後まで)やり遂げることができなかったら、チームは前に進んでいかなければならないんだ。自分たちがまさにそうだったよ」

 スター街道を歩む26歳は、ブルワーズで新たなキャリアをスタートさせるが、マイアミはどんなときでも特別で、ドラフトで指名してくれたマーリンズに感謝しているとも発言したという。FAのロレンゾ・ケイン外野手も獲得したブルワーズは、躍進が期待されている。イエリッチもその中心的役割を担うことになる。(Full-Count編集部)