フランス・パリで行われている全仏オープン(5月22日〜6月5日)の6日目。 9度にわたって全仏オープンを制したラファエル・ナダル(スペイン)が、左手首の故障を理由に棄権した。彼は3回戦をプレーするはずだった日の前日に、棄権…
フランス・パリで行われている全仏オープン(5月22日〜6月5日)の6日目。
9度にわたって全仏オープンを制したラファエル・ナダル(スペイン)が、左手首の故障を理由に棄権した。彼は3回戦をプレーするはずだった日の前日に、棄権を発表した。
「キャリアでもっともつらい記者会見」と自らが呼んだ会見の間、ナダルは左手首に青いサポーターを付けていた。
「14」のグランドスラム・タイトルを獲得してきたナダルは、ほかのどの大会でも故障を押して戦おうとはしなかっただろうが、「(全仏は)僕にとって一年でもっとも重要な大会だ」と話した。
ナダルは木曜日に、手首の痛みを麻痺させるための注射を打ったあと、2回戦を戦い、ファクンド・バグニス(アルゼンチン)を相手にストレート勝利を収めていた。しかし、夜が更けるにつれ、「ますます痛みを感じるようになっていき」、金曜日の朝には「手首をあまり動かせなくなっていた」と明かす。ナダルはまた、「もはや練習もできなくなり、(無理して続けても)大会を最後まで戦うことはできなかっただろう」と言い添えた。
問題は手首の腱鞘にあり、10日にわたって、あと5回も――つまり決勝まで勝ち進んだ場合、各試合の前に痛み止めの注射を打つなど、とんでもないことだと言われた、とナダルは説明する。
「17」のグランドスラム・タイトルを誇るロジャー・フェデラーが、大会直前に背中の故障で欠場を決めたあと、今度はナダルを失うことで、大会はスターのパワーをさらに抜き取られることになる。
ナダルは他の誰もが、どのグランドスラム大会でもやらなかった形で全仏オープンを支配した。彼は2005年から2008年まで4年連続でタイトルを獲り、さらに2010年から2014年まで5年連続でタイトルを追加して、ロラン・ギャロスで72勝2敗という、とてつもない戦績を誇っていたのである。
「ここでの彼は、我々の最大のチャンピオンだ」と、大会ディレクターのギ・フォルジェ氏は言う。
ナダルの唯二の敗戦は、連勝を「31」で止めることになった、2009年の4回戦、ロビン・ソダーリング(スウェーデン)戦と、「39連勝」に終止符を打つことになった、昨年の準々決勝、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)戦にある。
今年、第4シードをつけたナダルは、大会前に、かすかな痛みを手首に感じながらパリにやって来ていたが、それが次第に悪化していったのだと言う。その彼が、1回戦のサム・グロス(オーストラリア)、2回戦のバグニスを、いずれもストレートセットで制した。
その結果、ナダルのグランドスラムでの通算成績は200勝30敗、勝率は87%となり、200勝を挙げたテニス史上8人目の男子選手となった。(C)AP