日本国内のラグビーファミリーへ向けた「通常チケット」の先行抽選販売が開始されるにあたり、昨秋の日本代表選手たちもがラグビーワールドカップへの想いを熱く語った。 世界101の国と地域から申込みのあった「セット券」に続いて、2月19日(月)から…

日本国内のラグビーファミリーへ向けた「通常チケット」の先行抽選販売が開始されるにあたり、昨秋の日本代表選手たちもがラグビーワールドカップへの想いを熱く語った。

世界101の国と地域から申込みのあった「セット券」に続いて、2月19日(月)からは、ラグビーファミリーを対象とした1枚ごとの「通常チケット」の先行抽選販売がスタートする。

通常チケットの抽選申込もまた、悩ましくも楽しい時間になるだろう。

決勝トーナメントを含めた全48試合から、どの試合をいくつ選ぶのか。そしてまた、観戦エリアとして4つあるカテゴリー(A,B,C,D(プール戦のCとDはこども券含む))はどこを選ぶのか。それとも限定特典の付いたプレミアムシートか。

申込期間は、2月19日(月)10:00から、3月12日(月)23:59まで。世界へ向けた一般販売より7ヶ月も早い期間限定販売となる。抽選結果の発表は3月26日(月)だ。

この機会に参加できるラグビーファミリーとは、少年・少女を含む国内すべてのプレーヤー、スタッフ、コーチ、レフリー(すべて日本ラグビーフットボール(JRFU)協会所属)、そして、JRFUメンバーズクラブおよびサンウルブズ公式ファンクラブの会員だ。

チケット申込の窓口は公式チケットサイト(tickets.rugbyworldcup.com)だが、ラグビーファミリーの場合は、所属団体が指定する方法で事前登録を済ませておく必要がある。

事前登録をしていないという選手、スタッフ、ファンは、一生に一度の母国初開催を楽しむためにも、購入に必要なチケットID登録とあわせて準備をしておきたい。

こと少年・少女を含めたすべてのプレーヤーにとっては、選手時代にラグビーワールドカップを体感できる絶好の機会になる。

 

それでは、2019年を目指す日本代表選手が目撃してきたラグビーワールドカップとは、一体どんなものだったのだろうか。

帝京大学が大学7連覇を達成した時のキャプテンである、日本代表フッカーの坂手淳史選手。

ラグビーワールドカップ初出場へ邁進する24歳が、あらためてラグビーワールドカップが比類のない舞台であると思い知らされたのは、世界を揺るがしたあの一戦だった。

「僕が帝京大学4年生の時、前回(2015年)のラグビーワールドカップがあり、南アフリカ代表戦は夜中でした。観ていたら鳥肌が立ってきて、『スポーツを見ていてこんなに感動することがあるのか』というくらい興奮しました」(坂手選手)

当時の興奮を鮮明に覚えている。夜中だったが、「すごいことが起きている」と騒ぎになり、疲れて就寝していた選手たちが続々と起きてきたという。

「叫びすぎてしまい、他の部屋で寝ていた選手たちも起きてきました。最後はみんなで『勝つぞ!』と言いながら応援していました」(坂手選手)

多感な学生時代にラグビーワールドカップを目撃したことが、今では掛け替えのない財産になっている。

テストマッチも国同士の真剣勝負だが、坂手選手は「ラグビーワールドカップはテストマッチとも違う、特別な場所」だと感じている。

「ラグビーワールドカップは特別な場所なので、ぜひ観て頂きたいと思います。日本のラグビー界が盛り上がれば、いろんな未来が見えてくると思います。みんなで協力していきましょう」(坂手選手)

 

日本人第1号のスーパーラグビープレーヤーで、ラグビーワールドカップは2大会(2011、2015)に出場している日本代表スクラムハーフの田中史朗選手。

そのラグビーワールドカップについての記憶は、栄光と挫折に彩られている。

「大学の時は、同期の矢富選手が2007年のラグビーワールドカップに出ていたので、悔しい気持ちで観ていたことを憶えています」(田中選手)

同じ京都出身で同い年、しかも同ポジションという矢富勇毅選手が、22歳でラグビーワールドカップ2007フランス大会に出場していた。

2011年のニュージーランド大会では、念願叶ってラグビーワールドカップ初出場を果たした田中選手だったが、日本代表は3敗1分けという結果で同大会を終えた。

「2011年の開幕の時は『ラグビーワールドカップはすごい』と思ったのですが、負けてしまったので、思い出には残していません」(田中選手)

記憶を追いやるほどの苦悩を味わった。

しかし世界中からの拍手喝采という、トンネルの先の光景を見せてくれたのもまた、ラグビーワールドカップの舞台だった。

「2015年のラグビーワールドカップでは--特に南アフリカ代表に勝ったあと、世界の人々が『日本チームはすごい』と言ってくれました。それは今まで味わったことのない感動でした」(田中選手)

劇的なドラマを体感し、ラグビーワールドカップの素晴らしさを知る田中選手だからこそ、2019年へ懸ける思いは人一倍強い。

これまでもさまざまなメッセージを発信してきた先駆者の言葉には、日本ラグビーへの一途な想いが溢れている。

「いま、日本も世界もラグビーワールドカップが来年にあるということで盛り上がっています。これからもトップリーグ、大学生、高校生、中学生関係なく、一人ひとりのプレーヤーが、ラグビーワールドカップを盛り上げるという意識をもって、もっともっといろんなところで発信していきましょう」(田中選手)

あらゆるカテゴリーの国内プレーヤーも参加できる通常チケットの抽選申込販売は、2月19日(月)10:00にキックオフだ。

 

※1 ラグビーファミリー:(公財)日本ラグビーフットボール協会(JRFU) 登録チーム・コーチ・レフリー、スタッフ、 JRFUメンバーズクラブおよび サンウルブズ公式ファンクラブの会員の皆様です。ラグビーファミリー対象者の皆さまは所属する団体から順次ご案内する所定の方法にて事前のチケットID登録が必要です。

 

(文・多羅正崇)