WEEKLY TOUR REPORT米ツアー・トピックス 2月13日の火曜日早朝、リビエラCCにおいてタイガー・ウッズの姿が12年ぶりに見られた。 ジェネシス・オープン(2月15日~18日/カリフォルニア州)の開幕を2日後に控えた公式練…

WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

 2月13日の火曜日早朝、リビエラCCにおいてタイガー・ウッズの姿が12年ぶりに見られた。

 ジェネシス・オープン(2月15日~18日/カリフォルニア州)の開幕を2日後に控えた公式練習日、ウッズはジャスティン・トーマス(アメリカ)、ブライソン・デシャンボー(アメリカ)とともに、バックナインをプレー。たくさんの報道陣に囲まれながらも、ウッズは笑みを絶やさず、ツアー競技復帰2戦目に向けて着々と準備を進めていた。



リビエラCCでのプレーについて語るタイガー・ウッズ

 1992年、まだ16歳だったウッズが初のPGAツアーデビューを果たしたのが、このリビエラCCを舞台とする同大会だった(当時はニッサン・ロサンゼルス・オープン。その後、1995年~2007年がニッサン・オープン、2008年~2016年がノーザントラスト・オープン)。同コースのあるロサンゼル郊外で生まれ育ったウッズは、ホームタウン期待のアマチュア選手として招待され、結果は予選落ちだった。

「その話をJT(トーマス)にしたら、『僕が生まれる前の年だ』と言われたよ。時が経つのは速くて、参っちゃうね」

 そう言って笑ったウッズ。その1992年大会のときを含めて、同大会にはアマチュア時代に2回出場し、「僕のPGAツアーはここから始まった」と貴重な経験をもたらしてくれたこの舞台に感謝する。

 プロ転向後は、9度(うち1回は別のコース)もこの大会に出場しているが、歴史あるこのリビエラCCでの優勝はない。1999年、優勝したアーニー・エルス(南アフリカ)に2打差及ばず、2位で終わったのが最高位だ。

 ウッズのキャリアベストの時期と考えられている2000年の大会でも18位。決して相性は悪くないものの、勝利がないことでウッズは「(リビエラCCでの自分は)ひどいプレーばかりだ」とこぼす。

 最後にプレーしたのは、冷たい雨に突然降られて、高熱を出してそのまま途中棄権した2006年大会。その年、コース周辺の大渋滞に巻き込まれて、宿泊先に帰るのに90分以上かかったことにも不満を漏らしていた。以降、午後になると芽が出て荒れるポアナグリーンも好みではなかったため、ウッズのスケジュールにはリビエラCCでの大会は組み込まれなくなってしまった。

 冒頭でも触れたとおり、今回はそれ以来、12年ぶりの出場となる。

 1926年開場のリビエラCC。ジョージ・トーマスJr.設計で、アメリカを代表するコースのひとつとして数えられている。往年の名プレーヤー、ベン・ホーガン(アメリカ)が連覇を含めて3度の優勝を遂げていることから、”ホーガンの庭”とも呼ばれている。

 ウッズが語る。

「このクラシックなコースが本当に大好きだし、レイアウトも素晴らしいと思っている。自分の目にもフィットしているのだけど、なぜだかまだコース攻略ができていない」

 全長7322ヤード(パー71)。非常に戦略的なコースで、あらゆる種類のショットが求められる。なかでも有名なのは、”世界屈指のパー4”として知られる10番ホールだ。

 315ヤードと距離が短く、1オンも可能だが、ティーグラウンドから見たグリーンは奥行きが非常に狭く、その手前と奥にはバンカーが待ち構えている。しかも、砲台形状のグリーンのため、前後のバンカーなどに一度ハマると、プロでもピンに寄せるのが難しい。まずは1オンを狙うか、刻むかという選択を迫られるが、スコアメイクにはその選択と攻め方が大きなカギとなる。

「(10番ホールでは)これまで何度も(1オンで)グリーンを狙ったし、刻んでのバーディーも狙った。でも、どちらを選んでも(なかなか思うようにはいかず)、いい攻め方がまだわからない」

 そう言って、ウッズも10番ホールの攻略には頭を悩ます。練習ラウンドで、トーマスに「どうやって攻めているんだ?」と尋ねたほどだ。

 ちなみに、ウッズの疑問に対してトーマスは、「ピンが手前に切ってあるときは(1オンで)グリーンを狙うけど、それ以外は必ずレイアップしてグリーンを攻める」と答えたという。

 1月末のファーマーズ・インシュアランス・オープンに続いて、ツアー復帰2戦目を迎えるウッズ。初戦ではロングゲーム、特にドライバーショットの乱れが目立ったが、今大会に向けてその辺の修正はできているのだろうか。

 ウッズは自信の表情でこう語った。

「この2週間はたくさんボールを打って、スイングの悪いところを直してきた。パッティングの調子は、そのまま維持できていると思う。(ドライバーは)シャフトを(長期離脱前の)2015年のウィンダム選手権で使っていた、少し硬いものにして、ファーマーズのときよりも4分の3度、ロフトを加えたヘッドに変えた。非常にいい感触だ」

 予選ラウンドは、練習ラウンドをともにこなしたトーマス、そしてロリー・マキロイ(北アイルランド)と同組となった。

「もちろん勝つことが目標ではあるけれど、復帰2戦目で(自らの)戦いはまだ始まったばかり。(結果を出すには)まだまだ上達させなければいけない部分はたくさんある」

 大会本番に向けて、最後はそう慎重に語ったウッズ。42歳のベテランは、リビエラCCをどう攻めていくのか。そのプレーぶりが大いに注目される。