カブスと6年契約に合意、ブルワーズは最後まで有力候補と見られていたが… ドジャースからFAとなっていたダルビッシュ有投手…
カブスと6年契約に合意、ブルワーズは最後まで有力候補と見られていたが…
ドジャースからFAとなっていたダルビッシュ有投手は、カブスと契約合意に達したと報じられた。長期化した争奪戦では、ツインズ、ブルワーズ、ヤンキース、ドジャース、レンジャーズ、フィリーズ、アストロズなどの名前も挙がり、徐々に有力候補が絞られていく形に。特に、ツインズとブルワーズは総額1億ドル(約109億円)超のオファーを出したと伝えられるなど、最後まで熱心だったとされている。ただ、ブルワーズについては、「関心度が誇張されていた」と地元メディアが伝えている。
バッテリー組のキャンプイン直前にようやく決着したダルビッシュ争奪戦。カブスと6年1億2600万ドル(約137億円)、出来高を含めると最大で1億5000万ドル(約163億3000万円)となる契約で、カブスが制した形となった。
決着の直前まで有力候補の1つと見られていたのが、カブスと同じナ・リーグ中地区に所属するブルワーズだ。昨年はカブスに次ぐ地区2位でレギュラーシーズンを終えたものの、ワイルドカードには1ゲーム差届かず。しかし、若手は充実しており、オフにはロレンゾ・ケイン外野手、クリスチャン・イエリッチ外野手らを補強。さらなる躍進へ向けて、積極的な動きを見せていた。
そして、ダルビッシュに対しても、ツインズとともに総額1億ドルを超えるオファーを出していると伝えられていたが、地元紙「ミルウォーキー・ジャーナル・センチネル」は「ブルワーズのダルビッシュへの関心度の報道は誇張されていた」とのタイトルで争奪戦の“裏側”を報じている。
記事では「ミルウォーキー・ブルワーズのファンの間には2つの不安が現れている。1つはブルワーズがダルビッシュに9桁(1億ドル)のオファーを出すほど入れ込んでいたという報道から来ている。もう1つは彼が恐ろしきカブスに行き、ナ・リーグ中地区のライバルがさらに勢力を増した事実から来ている」と指摘。その上で、執筆者は「1番目については見当違いのようだ。土曜の夜、私はブルワーズのダルビッシュへの関与は大幅に誇張されていたということを聞いた」と記している。
「ダルビッシュにオファーを出したことはなかったと示唆しているのだろうか?」
決して資金が潤沢ではないブルワーズがダルビッシュに大金を投じようとしていたというニュースは事実ではないというのだ。記事によると、デービッド・スターンズGMは断固として報道を認めなかったという。これは同GMのいつものやり方だとしつつ、メールでの取材には「それに関してはあまりコメントがない」と答えた事実も紹介している。その上で「ダルビッシュにオファーを出したことはなかったと示唆しているのだろうか? 考えれば考えるほど、私はそう思うようになった」と結論づけている。
また、今回のダルビッシュとカブスの契約合意を最初に報じた米メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者が、ツイッターで「ブルワーズのダルビッシュへのオファーは報道で示唆されているほどのものではなかったと関係者。交渉の壇上に彼らの存在がいたことはカブスの金額を引き上げる作戦だったかもしれない」と伝えたことにも言及。ブルワーズが興味を持っていなかったわけではないが、非公式なオファーで1億ドルには達しておらず、誰かが間違った情報をリークした可能性があるとも指摘している。
さらに、ブルワーズがこの報道を否定しなかった理由としては、それはスターンズGMの仕事ではなく、カブスのオファー額を引き上げるならば、それでもよかったと分析。確かに、同地区のライバルの投資額が大きくなるならば、ブルワーズとしてはむしろ都合がいい。本気だったチームを少なかったとして、記事はその後、もう1人のFA市場の大物先発投手であるジェイク・アリエッタ投手をブルワーズが獲得するか検討しながら、結論を出さずに終わっている。
いずれにしても、今季のブルワーズがカブスのライバルになることは間違いない。ダルビッシュは自身を獲得しなかったことを後悔させるような結果を残したいところだ。(Full-Count編集部)