ラグビー愛と九州愛にあふれた時間だった。
 2月3日、小倉駅改札前の特設ステージにサンウルブズの選手たちが立った。別府での第1次合宿に続き、この日から当地で第2次合宿が始まった。地元ファンとの交流を深めるため、サイン会やトークショーが催された。

 トークショーでファンを喜ばせたのは山田章仁、流大、布巻峻介、荒井康植の4人だ。山田と荒井は地元・北九州出身で、布巻は福岡市、流は久留米市で育った。約90分の中で各地域ごとの方言の違いに話しが及んだり、2018年シーズンの展望や合宿中の模様を口にしたり。選手、ファンで一緒に「アウォーン」と叫ぶシーンもあり、笑いの絶えない時間となった。

 初々しかったのは、練習生として参加している荒井だ。
 別府合宿を振り返り、「周囲のすべての人が凄くて、学ぶことばかり。もっと自分自身のレベルを上げないといけないと思った」と話した。
 ホテルで同部屋だったのは立川理道。多くの刺激を受けたそうだ。

 ヴィリー・ブリッツとともに今季キャプテンを務めることになった流は、リーダーとしての決意を口にすると同時に、帝京大の1年後輩にあたる荒井について、「スピードとフィットネスは自分以上と思っています。別府合宿での測定でも(荒井は)自分より上で悔しかった」と口にした。
 そう話す流の姿について、山田が言った。
「同じポジションの選手をそれだけ褒めるということは、まだまだ余裕があると思っている証拠」
 プレーヤー心理を読んだ発言で会場を沸かせる一方で、「同じラグビースクール(鞘ヶ谷RS)の後輩(荒井)と一緒にプレーできるようになったら幸せ」とエールをおくった。

 布巻は終始落ち着いていた。
 スーパーラグビーをはじめとした国際舞台でも持ち前のタックルで大男たちを倒せる理由について、「コンタクトのハードさは国内とは比べものにならないほどですが、より強く前に出る気持ちで動けば戦える」とメンタルの大切さを強調した。
 そして、別府合宿を振り返った。
「もうチームになっているように感じた」
 外国出身選手も多い編成もコミュニケーションは上々。ハードなトレーニングを通して、すでに結束は固まりつつある。

 今季のチームが掲げている目標はトップ5。初年度が1勝、昨年が2勝というチームにとっては大すぎるターゲットにも感じられるが、山田は前向きだった。
「コーチ陣(ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ、トニー・ブラウン アシスタントコーチ)はハイランダーズを指導しているときにスーパーラグビーで優勝させたコンビ。その人たちとやれることがとても楽しみ」
 掲げたものは決して不可能なことではない。当事者たちの希望も大きく膨らんでいることを明かした。

 2019年ワールドカップの際、北九州ではウエールズ代表が事前キャンプをおこなう。トークショーの締めくくり、山田が「みなさんもラグビーファミリーです。この場所からラグビー熱を発信していきましょう」と声を張り上げると、会場の空気は最高潮に達した。
 最後の最後には豆まきもおこなわれ、選手たちとファンの距離は急接近。4人の人柄もあり、サンウルブズの人気がまた高まったように感じた。